【マニラ、北京共同】フィリピン政府は23日、南シナ海のアユンギン礁(英語名セカンド・トーマス礁)の軍拠点に向かっていた補給船が同日、中国海警局の船2隻から放水砲を浴びて「深刻な損傷」で航行不能になり、乗員らが負傷したと明らかにした。中国はフィリピンが建築資材を運ぼうとしたと主張し、阻止したと発表した。

 中国は、生活必需品を運ぶ補給船1隻に限り容認する方針をフィリピンに伝え、老朽化が進む軍拠点への建築資材搬入は認めないと公言している。フィリピン側は今回、補給船から必要不可欠な物資と交代兵員6人をゴムボートに乗せ換えて軍拠点に届けた。

 今回使われた補給船は1隻だけだが、従来船より大型。5日の前回任務で試験投入され、この際も中国海警局の船2隻から放水砲を浴び、海軍兵4人が負傷した。前回、もう1隻の補給船は妨害されず、中国側は「人道主義の観点から特別措置を取った」とした。

 中国海警局の報道官は23日の談話で、今回の補給は前回の「わずか18日後」で、建築資材搬入を図るなど「正常ではない」と批判した。