株式会社マイナビが運営する総合転職情報サイト「マイナビ転職」は、子どもがいる正社員を対象に行った「育休に対する男女の意識差と実態調査(2024)」の結果を発表した。その内容を一部抜粋して紹介する。

本ニュースのサマリー
  • 「育児退職」を経験した子どもがいる女性は5人に1人。男性でも4割弱が退職を経験・検討
  • 【男性育休】男性の育休取得日数は「1カ月未満」が半数、うち約3割が「2週間未満」
  • 育休のハードルとして最も回答が多かったのは「収入減少」。世帯年収「800万以上」から育休取得率は7割を超える
  • パートナーの育休満足度、男性からみた妻は平均82.7点、女性からみた夫は平均58.4点

「育児退職」を経験した子どもがいる女性は5人に1人。男性でも4割弱が退職を経験・検討

子どもがいる女性のうち、育児との兼ね合いで退職する「育児退職」を経験した人は19.3%となり、5人に1人の割合だった。また、「育児退職」を検討したことがある人は24.3%となり、合わせて約4割強が育児を理由に退職を経験・検討したことがあるとわかった。育休経験のある男性でも39.5%と4割弱の人が退職を経験・検討しており、男女問わず、育児と仕事の両立の難しさがうかがえる結果となった。今後、企業は離職防止という観点で、育児をしながら働きやすい職場環境を整えることが求められている。

画像:株式会社マイナビ 2024年5月17日 ニュースリリースより引用

【男性育休】男性の育休取得日数は「1カ月未満」が半数、うち約3割が「2週間未満」

男性の育休取得日数は、「1カ月未満」の人が半数であった。内訳をみると、「5日以内」は18.5%、「6日〜2週間未満」は14.5%と、取得日数が2週間未満の人が33.0%となった。一方、女性の取得日数は「半年以上」が85.0%にのぼり、男女の取得期間には大きな差が生じた。

画像:株式会社マイナビ 2024年5月17日 ニュースリリースより引用

育休のハードルとして最も回答が多かったのは「収入減少」。世帯年収「800万未満」の育休取得率が低い傾向に

育休取得のハードルとして最も回答が多かったのは「収入減少」(19.4%)だった。世帯年収別に育休取得率をみると、「800万円以上」から取得率は7割を超え、世帯年収が高いほど育休取得のハードルが下がりやすいことが考えられる。

画像:株式会社マイナビ 2024年5月17日 ニュースリリースより引用

一方で、育休取得者のうち、26.3%が「育休中も給付金があり、収入がゼロになるわけではない」と知ったことが、育休取得のきっかけになっていることがわかった。給付金や助成制度の周知は、収入面がハードルになっている人にとって、育休の取得がしやすい社会の醸成へ一定の効果があることがうかがえる。

画像:株式会社マイナビ 2024年5月17日 ニュースリリースより引用

パートナーの育休満足度、男性からみた妻は平均82.7点、女性からみた夫は平均58.4点

パートナーの育休への満足度を100点満点で表すと、男性からみた妻の点数は平均82.7点、女性からみた夫の点数は平均58.4点で、男性からみた妻の点数が大きく上回った。

女性からみた夫の点数が高い人の理由は「率先して育児・家事をやってくれている」「役所の手続きをやってくれた」、男性からみた妻の点数が高い理由は「しっかり育休をとれて子どもの面倒をみてくれたから」など、二人で協力して育児をできたことや育休取得期間の長さに関することがあげられた。
一方で、点数が低い理由として、女性は「夫の食事まで作らねばならずかえって負担だった」「育休取得期間の短さ」などがあげられ、男性では「自分がやることが多い」や、女性と同じく「取得期間が短い」といった回答があった。

育休期間の長さやその過ごし方、家事分担については事前に話し合うなど、協力して育児を行うことが、お互いの満足度につながると考えられる。

画像:株式会社マイナビ 2024年5月17日 ニュースリリースより引用