そろそろ冬物を片づける季節。きれいにしてからしまっておきたいけれど、クリーニング代も馬鹿にならない...。
そこでおすすめなのが、おうち洗い。今話題の「洗濯ブラザーズ式冬物洗い」なら、冬アウターがきれいに洗えるだけでなく長もちすると聞いて教わってきました!
今回は、冬物を家で洗うときに注意したい4つの基本をご紹介します。
*超ロング丈のアウター、皮革、毛皮、レーヨン、キュプラ、アセテートなどの半合成繊維、光沢やシワ加工の衣類はクリーニングに出しましょう。
▶︎教えてくれたのは
洗濯ブラザーズ 茂木貴史さん
毎日の洗濯を楽しくハッピーにするための活動を行なうプロ集団「洗濯ブラザーズ」の長男。著書は『日本一の洗濯屋が教える 間違いだらけの洗濯術』 (アスコム) 。https://sentakulife.com/
洗濯槽自体を洗うことも忘れずに!「洗濯ブラザーズ式冬物洗い」の4つの基本
■基本1:前処理で汚れを浮かす前処理とは、洗う前に、特に汚れている衿や袖などにプレウォッシュ液をスプレーして、洗濯ブラシでたたいて汚れを浮かせておくこと。このひと手間で、汚れが格段に落ちやすくなります。
プレウォッシュ液を作る
空のスプレー容器に洗濯用の液体洗剤と水道水を1:1の割合で入れ、振って混ぜる。作ったプレウォッシュ液は1週間以内に使い切って。
*洗濯用液体洗剤は弱アルカリ性のものを選んでください。
気になる汚れに各3回スプレー
衿や袖口、ポケットなど、汚れが気になる箇所にプレウォッシュ液を各3回スプレーする。こうすると繊維の奥に残った皮脂汚れが浮き上がってくる。
ブラシでたたいて皮脂汚れを浮かせる
続けて、スプレー箇所を洗濯ブラシでトントンたたき、皮脂汚れを浮かせる。生地が傷むので、こするのはNG。洗濯ブラシはホームセンターなどで購入できる。
■基本2:たっぷりの泡で洗う
洗う場所は、洗面所の洗面ボウルや浴室のバスタブ、たらいなど。「厚手の冬物の手洗い」はハードルが高そうですが、要は洗剤液に衣類を沈めて、押して、汚れを緩めるだけ。慣れてしまえば簡単です。
*手肌の弱い人は、手洗いの際にゴム手袋をつけましょう。
洗剤と湯を混ぜて洗剤液を作る
40℃程度のぬるま湯に洗濯用の液体洗剤を入れ、混ぜて泡立てる。入れる洗剤の量は洗剤裏面表示の「手洗い」の量か、それよりやや少なめで。ウールなど動物性繊維の衣類は、30℃以下のぬるま湯で洗って。
洗剤液にしっかり沈める
厚手のダウンやコートは液体に沈みにくいので、力をかけてぎゅーっと沈め、洗剤液を吸わせる。おもしをするように、水入りのバケツを衣類に載せるのもあり。
衣類の向きを変え、押し洗い
洗剤液に沈めて押し洗い→上げてざーっと水けを落とす→衣類の向きを変えてまた沈め、押し洗い→上げて水けを落とす、を繰り返して、汚れを洗剤液に移す。
■基本3:脱水の力で汚れを落とす
洗濯物を絞る作業は、洗濯機の「脱水」に任せて。脱水時に汚れが吹き飛ぶので、ここでかなりの汚れが剝がれ落ちます。しっかり脱水しないと繊維に洗剤が残り、すすいでも泡立ちが止まりません。
洗った衣類をネットに入れる
衣類を畳んで洗濯ネットに入れたら、衣類が中で動かないように、余った部分は縛って。ただし、ダウンの脱水時は縛らず、ネットの中でやや踊らせるように。
洗濯機で1分脱水する
洗濯機で1分脱水すると、衣類についた汚れが遠心力で吹き飛ぶ。衣類が少なくて回らない、またはエラーで給水を始めてしまう場合は、バスタオルを入れてかさ増しを。
水ですすぎ、再び1分脱水
脱水後、洗濯ネットから出し、泡が出なくなるまで水で充分にすすぐ。すすぎは押し洗いと同じ要領で。再度ネットに入れ、洗濯機で1分脱水したら洗濯完了。
■基本4:部屋干しで素早く乾かす
特に濃い色の衣類は紫外線に弱く、直射日光に当てると色あせすることも。服を長もちさせたいなら部屋干しがおすすめ。室内でも日当たりがよすぎる場合は、衣類を裏返して干しましょう。
衣類の形を整える
衣類を干すときは、縫い目を軽く引っ張って縮んだ縫い合わせ部分を元に戻す。ニットなどは重みで伸び過ぎないように、重さを分散させて干す工夫を。
外干しより部屋干しがおすすめ
直射日光を避けるだけでなく、春は花粉などから衣類を守る意味でも部屋干しが◎。空気が通りやすいように、衣類と衣類の間は拳1個分以上間隔をあけて。
風を当てれば、なおGOOD!
早く乾かすほど、ニオイの発生が抑えられるので、洗濯後はすぐに干して。なるべく狭い空間で、除湿器やサーキュレーター、扇風機などを使って乾かせば完璧!
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冬物は大抵クリーニングに出していましたが、本当にきれいになっているか不安なときも...。おうちで洗えるとしたら、経済的かつ安心です。
ぜひみなさんもチャレンジしてみてくださいね!
イラスト/mappy 撮影/林 ひろし 編集協力/宇野津暢子
文/さいとうあずみ