医師のマイケル・グレガー(Michael Greger)博士は、ニューヨーク・タイムズ・ベストセラー・リストに掲載された長寿と健康的な生活をテーマにした本を4冊書きました。

彼は、栄養とライフスタイルがいかに寿命を延ばすかを研究しており、その成果を著書と彼が創設した慈善団体「ニュートリションファクツ(Nutritionfacts.org)」で発表しています。

グレガー氏は、自分の研究結果を自身の生活に応用し、健康的な食事や活動的な生活など、寿命を延ばす習慣を提唱しているとBusiness Insiderに語りました。

1. ベリー類、アブラナ科の野菜、亜麻の種を食べる

「私たちにできるもっとも重要なことは、ブルーゾーン(Blue Zones)の例にならって、植物性食品を中心とした食生活を送ることです」と彼は話します。

ブルーゾーンとは、カリフォルニア州の村、ロマリンダのように、人々が国の平均よりも約10年長生きしている地域のことです。

ブルーゾーンの人々は、果物、野菜、豆類、ナッツ類、種子類を多く摂り、精製された砂糖、動物性食品、超加工食品をあまり摂らない傾向があります。

ブルーゾーン・ダイエットは、もっとも健康的な食事法と広く考えられている地中海式ダイエットに似たもの。

基本的に地面から生えて育っている本物の食べ物です」とグレガー氏は言います。

グレガー氏は主に植物を食べるようにしていますが、それだけではありません。

私は偽善者にならないように、私が皆に勧めているような食事をするように心がけています。

具体的には、彼はベリー類とアブラナ科の野菜を毎日食べるようにしています。彼はこれらをよくブレンドしてスムージーにし、一日を通して飲むことが多いそうです。

彼の典型的な朝食は、チェリー、クルミ、カボチャの種とココアパウダーを加えたオーツ麦とのこと。

「朝食用のチョコレートでくるまれたチェリーのようなものです」と、彼は冗談を言います。

ブロッコリー、キャベツ、カリフラワーなどのアブラナ科の野菜には、「毒素を中和して炎症を抑えるスルフォラファンなどの栄養素が含まれており、ベリー類には細胞の損傷と防ぐ抗酸化物質が豊富に含まれている」とグレガー氏は自身のYouTubeチャンネルで話しています。

また、グレガー氏は毎日大さじ1杯の挽いた亜麻の種を食べるそうです。

その理由は「亜麻の種には心血管疾患のリスクを低下させるリグナンが多く含まれているから」とのこと。彼はこれをオーツ麦にふりかけたり、スムージーに加えたりします。

2. トレッドミル・デスクを活用

座りっぱなし、つまり1日10時間以上座っていることは、早死にするリスクの高さと関連します。

一方、活動的なライフスタイルは、心臓の健康の改善からがんのリスクの軽減まで、幅広い健康上の効果をもたらすことが知られています。

グレガー氏は自宅で仕事をするときはいつも、時速2、3マイル(3.2〜4.8km/h)に設定したトレッドミルをデスクの下に置いて、一日中歩いており、1日に約14マイル(約22.5km)歩いていると見積もっています

そのおかげで座りっぱなしにはなりませんが、それ自体が運動になるわけではありません。

3. 心拍数を上げる運動もする

グレガー氏は毎日何らかの方法で心拍数を上げるようにしており、中程度の運動を90分、激しい運動を40分行うことを目標にしています

しかし、Business Insiderが取材したタイミングは、あいにく講演会ツアー中。

彼は旅先で健康的な習慣を維持するのは大変なことだと認めていますが、その場で使える物を利用してワークアウトを行なっているそう。

空港のそばにあるこの新しいアパートは18階にあるので、毎日18階までジョギングで上るようにしています。

また、レジスタンスバンドを荷物に入れておき、滞在先に十分な階段がない場合は、バーピー(筋力トレーニングや有酸素運動として行われる全身運動)をしていると言います。

4. 1日の早い時間にカロリーを摂る

グレガー氏は以下のように述べています。

我々の概日リズムの仕組みによって、遅い時間に食事を取るより、早めの時間に食事を取る方が健康や長寿に有益であると考えられています。

また、夕方に摂取したカロリーとまったく同じカロリーを摂取していても、朝の方が血糖値の上昇が少なく、体内で使われなかったカロリーが脂肪に変換された中性脂肪の量も少なくなると言います。

成人485人を対象とした2022年の研究のレビューで、研究者らは、全体的な摂取量が同程度であったにもかかわらず、1日の早い時間にカロリーの大半を摂取した参加者の方が、遅い時間に摂取した参加者よりも体重が減少したことを発見しました。

また、血糖値とコレステロール値にも大幅な改善が。

ジャンクなものを食べるなら、体が処理しやすいので、朝に食べたほうがいいです。

翻訳: 大場真由子

BUSINESS INSIDER JAPANより転載(2024.3.2公開記事)