携帯電話に友人の名前が表示されたけれど、あなたはスルーした ——。

これまでに6回話した経験から、相手はただ自分の新しい交際相手のことを分析するか、上司のことをずっとグチるだけだとあなたは分かっているからです。あなたのことを聞いてくることはないし、聞いてきたとしても必ず話を自分に戻すでしょう。

「エネルギーバンパイア」と呼ばれるこうしたタイプの友人は、「あなたの心のリソースを消耗させます」とアメリカのワシントンD.C.の心理学者ジル・ウェーバー(Jill Weber)氏はBusiness Insiderに語りました。

完全に50/50という関係はありえないし、辛い時期を過ごしている時は友人が一時的にあなたから多くを必要とするかもしれないけれど、エネルギーバンパイアは「失恋」や「仕事への不満」を乗り越えることができないようです。物事がうまくいっている時ですら、彼らは自分の関心をあなたに向けることはありません。

「そういう人たちは奪うだけ奪って与えなかったり、有害なもの、ネガティブなもの、偏ったもので空間を埋め尽くしたりします」とウェーバー氏は話しています。

友人が不愉快な人間だと気づくこと、あるいはそれを認めることは必ずしも容易ではありません。ウェーバー氏は、あなたの友人がエネルギーバンパイアかどうかを見分ける主なサインを教えてくれました。

1. 相手に話した後、気分が良くなることはほぼない

ウェーバー氏によると、人間関係における深刻なアンバランスを示す最も直接的なサインの1つは、相手と一緒に過ごしたり、電話で話したあとの自分の気分です。

別れた後、気分が悪くなったり、元気がなくなったり、何か引っかかるものがあります。相手とのやりとりの結果、ネガティブな感情が湧き上がってくるのです。

こうウェーバー氏は言います。

ずっと一緒に時間を過ごしていると、長期的なメンタルヘルスの変化を感じはじめるかもしれません。

一方でお互いに支え合っている相手なら、どんなに深刻な会話や難しい会話だったとしても「別れた後、足取りが軽くなるような元気を取り戻した気分になるでしょう」とウェーバー氏は話しています。

2. あなたを自分の感情のはけ口のように扱う

「バンパイア(吸血鬼)」という言葉から、友人に自分の命を吸い取られるようなイメージを思い浮かべる人もいるかもしれませんが、ウェーバー氏によると、エネルギーバンパイアはその逆で、「次から次へと暴言を吐く」ことであなたを苦しめます。

自分が感情の受け皿になっているように感じます。誰かがただただ、あなたに向かって吐き出しているのです。

友人間のコミュニケーションのあり方はさまざまで、完全に50/50とはいかないのが一般的ではあるものの、エネルギーバンパイアは相手が問題を抱えていたり、相手が話す順番がなかったりしても気付くことがありません。

3. 基本的に自覚がない

ウェーバー氏によると、エネルギーバンパイアは大抵、自分の感情的に未熟な行動が人間関係にどのような影響を及ぼすか気づいていません。

「感情の受け皿のような形で繰り返し友人と話していたとしても、その自覚のなさは職場環境、家族関係、恋愛関係にまで及びます」と同氏は指摘します。

4. 「ドラマ」がよく起きる

エネルギーバンパイアの自覚のなさは、彼らが不満を漏らす「ドラマ」を生み出すこともあるとウェーバー氏は話しています。

自分の問題をすべて新しいパートナーに押し付けて別れることになるかもしれないし、仕事では自分の立場でしか考えず、同僚と常に緊張状態にあるかもしれません。

だからこそ、次から次へと何かが起きているように思えるのです。自分が自滅的、自己破壊的な行動を取っているという洞察力が欠けているからです。

そうウェーバー氏は言います。

5. フィードバックをうまく受け止められないことが多い

身近にいるエネルギーバンパイアに自分の気持ちを伝えたいけれど躊躇しているという場合、そこには何かしら理由があるはずだとウェーバー氏は話しています。

洞察力に乏しい人々は大抵、現実を突きつけられた時にうまく対応できません。

彼らはその情報を受け入れるのにものすごく苦労して、守りに入り、形勢を逆転させようとするでしょう。

ウェーバー氏によると、こうした状況は「非常にやっかい」になり得るものの、だからといって、あなたがそれを我慢する必要もありません。

1つの選択肢は、相手とどのくらい電話で話すかなど、適切な一線を引くことです。理由を明かすことに抵抗がなければ、「ここ2回の会話の後、自分はものすごく消耗してしまったので、こういう状況から抜け出さなければならないと思っている」などと伝えてもいいです。

ただ、辛い局面に立たされた友人が、自分が会話を独占していることに気付いていないこともあります。

それでもうまくいかなかったり、友人が常にこういう状態だと気付いたなら、それはあなたがその友情を卒業したサインなのかもしれません。

翻訳、編集:山口佳美

Business Insider Japanより転載(2024.03.16)