食材の値上がりラッシュの状況でも食費を安く抑えている人たちは、どんな工夫をしているの? 共通している食材の買い方の秘訣や、食費をセーブするワザを聞いてみました。

お話を伺った食費達人

あいさん Profile
月30万円以下で暮らす家計管理、節約テクをインスタで発信。10歳、5歳の2児のママ。4人家族で食費は月約4万円
あい・4人家族の節約と家計管理
miiさん Profile
あらゆる節約術を駆使して、総貯蓄7000万円を達成。フルタイムで働く、1歳の双子のママ。4人家族で食費は月2万1000円

※1枚目の写真提供 
mii ** フルタイムワーママ双子育児𓈒𓏸
mocoさん Profile
月5万円以上かかっていた食費を月2万円台にダウン。結婚3年で1000万円貯蓄を達成。5歳、0歳の2児のママ。4人家族で食費は月2万5000円

モコ🌿結婚3年で貯金1000万円達成|節約ごはん🥢

食費が安い人の買い方 5つの秘訣

食費を少しでも安く抑えるためには、買い物前の準備や買うものの選び方に秘訣がありました。

【買い方の秘訣①】
買い物メモを持参する


食費達人たちは、買い物前に冷蔵庫内や食品ストックの在庫をチェックし、買い物メモを用意するのが当たり前の習慣に。メモに書いたものを目当てに買い回りするので、ほかの食品売り場の誘惑につられることがありません。

メモしていた食材が高かったときは、より安い食材に切り替えることもありますが、買いすぎはなし。

また、メモがあることで必要な物の買い忘れがなく、「あれがなかった」と買い足しに行き、ついでにムダ買いするということが防げます。

「冷蔵庫の中身と調味料の残りを確認して、3〜4日分の献立を軽く決め、それに合わせて買い物メモを書いて持参します」(あいさん)

【買い方の秘訣②】
旬の野菜は八百屋で買う


店にもよりますが、野菜はスーパーで売られているものより八百屋のほうが安いという場合も。多くの八百屋は卸売市場で直接仕入れしているので、集荷や運送などに時間とコストがかかる大型スーパーに比べて、鮮度がいいものを安く提供できるというメリットがあります。

また、八百屋はたくさんの在庫を持てないので、その日のうちに売り切るところが多いため、夕方に割引になるというチャンスも。食費達人は、「野菜は八百屋で」と使い分け、賢く買い物しています。

「八百屋で買うと、新鮮できれいな状態のものが多いんです。旬の野菜以外に、きのこなども八百屋のほうが安く買えます」(mocoさん)

【買い方の秘訣③】
定番食品はスーパーなどのPB商品を活用


食品が高騰化しているなかでも、比較的価格が安定しているのが、各小売店が独自で展開・販売しているPB(プライベートブランド)商品です。

PB商品は、広告費やパッケージ代などのコストを削減することで、低価格を実現したもの。スーパーだけでなく、ドラッグストアや量販店のPB商品も注目度が高まっています。

食費達人は、こうしたPB商品を積極的に活用。調味料や乾物、缶詰など、定番で使い回しがきくPB商品を“指名買い”して、食費を抑えています。

「よく利用しているのは、イオンのPB『トップバリュ』や、地元のドラッグストア・コスモスのPB商品。特に調味料類が安いので助かります」(あいさん)

【買い方の秘訣④】
価格が高騰化しているときは、冷凍食材を利用


野菜や海鮮食材は、天候や流通などの影響によって、価格が高騰化しやすいもの。旬の食材が高いときに、食費達人たちが活用しているのが冷凍食材です。

近年は急速冷凍などの技術が進化し、むしろ冷凍だからこそ栄養価が高まっているものもあります。

何より、冷凍食材は年中価格が安定しているのが魅力。冷凍されているから少量ずつ使うこともでき、ムダがありません。生の食材にこだわらず、冷凍食材も上手に活用することが予算セーブにつながります。

「よく使う食材の標準価格をチェックしておき、価格が上がっているときは、冷凍食材で乗り切るようにしています」(miiさん)

【買い方の秘訣⑤】

業務スーパー、ドラッグストアはピンポイント買い

業務用サイズの食品がお得に買える業務スーパーに行くと、つい大量に買ってしまうという人も多いでしょう。

食費達人は、業務スーパーを利用するときも、何でもまとめ買いするのではなく、冷凍食品やハム、ベーコンなど、コスパがよいと思うものに目的を絞って買っています。

また、意外とねらい目なのがドラッグストアです。牛乳、卵など、賞味期限が短い日配品が安定して価格が安め。それだけピンポイントで買いに行くという人もいます。

「業務スーパーは、ハムやベーコン、肉団子などの加工品、乳製品が安いので決まって購入。その他の食材は地元のスーパーで買うように使い分けています」(mocoさん)

食費をセーブするお得ワザ

スーパーなどの小売店での買い物以外にも、食費を抑えるためにこんな工夫をしています。

【お得ワザ①】
お得デーを狙ってポイントで支払う


固定費をカード払いにしたり、ウェブアンケートに回答するなどしてポイントをためて、それを食費の支払いに。ポイント払いなら現金が減ることがないので、予算セーブに役立ちます。

なかでも、ドラッグストア・ウエルシアのお客様感謝デー(毎月20日)を利用した「ウエル活」で得している人が多数。ウエルシアで毎月20日に食品を購入し、Tポイント*(200ポイント以上)で支払いすると、商品が実質33%引きに。通常の買い物以上にお得になります。

*ウエルシアのお客様感謝デーでの対象ポイントは、2024年9月以降、Tポイントは対象外となります

「調味料や缶詰、乾物などは、ウエル活でまとめて購入。缶詰、乾物は買い物前に食材が足りなくなったときに活躍してくれます」(miiさん)

【お得ワザ②】
肉、魚、米は、ふるさと納税の返礼品でまかなう


ふるさと納税は、居住地以外の自治体に寄付することで、特産品などの返礼品がもらえるもの。寄付金のうち、2000円を超える部分は所得税・住民税の控除の対象になるため、実質の自己負担額は2000円のみに。

一般的に、ふるさと納税の返礼品として人気が高いのは、高級フルーツや海鮮など。でも、食費達人が選ぶ返礼品は、普段の食卓で使える冷凍品の肉や魚、米がほとんど。節税しながら、食費節約に役立てています。

「食費を少しでも安くするため、返礼品は米がマスト。調理済みのハンバーグは、忙しい日でもこれがあるとさっと作れて便利です」(あいさん)

「ふるさと納税の返礼品では、スーパーなどで買うと高くつく、まぐろのたたきや干物などをよく申し込んでいます」(miiさん)

リポートした人 Profile

マネーライター みとも はやみ

編集プロダクション、出版社の勤務を経て、2011年よりフリーランスで活動。
20年以上、生活情報誌を中心に家計やりくりにまつわる記事の編集・取材・執筆に携わる。
これまでに取材した実例は、延べ1000件以上。

text & web editHayami Mitomo

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