俳優・塩野瑛久が主演をつとめるスペシャルドラマ『ぼくの人格シェアハウス』(カンテレ)。3月17日の放送を前に、塩野がオンライン取材会に登場。ドラマの見どころや世代間ギャップなどについて語った。

■「価値観や年代によって、見え方も変わってくるドラマ」

大河ドラマ『光る君へ』(NHK)で一条天皇役に抜擢されるなど、カメレオン俳優として活躍を見せる塩野。今回のドラマでは、トラブル回避をモットーに働く主人公・相田雄介(塩野)が、トラブルメーカーの後輩・大城守(菅生新樹)と出会い、さまざまな非常事態に見舞われながらも、相田の脳内で暮らす3人の人格とともに自分の働き方、生き方を見つめ直していく自問自答系ヒューマンコメディドラマとなっている。

トラブル回避を最優先に、周囲と波風を立てないように過ごす相田。ピンチのときにいつも駆け込むのは彼の頭のなかにある「脳内シェアハウス」で、そこでは恋愛至上主義で明るく積極的な人格(星乃夢奈)、クールで知性派の人格(溜口佑太朗)、ビビリで消極的な人格(時任勇気)が暮らしている。3人を集めて作戦会議をひらき、忖度やヨイショ、場の空気を敏感に察知する能力などをフル稼働させながら、あらゆるトラブルを避けてきたが、大城の出現でそれが崩されていく・・・というストーリーだ。

マイペースすぎる後輩・大城に振りまわされる主人公の相田だが、塩野は「相田の考えが分かる人もいるでしょうし、大城くんは突飛な発言やマイペースなところに『なんでそうなるんだろう』って思う人もいるでしょうけど、逆に若い人たちからしたら『なんで相田はこんなことを言うんだろう』という瞬間もあったりすると思います。それぞれの価値観や年代によって、見え方も変わってくるドラマなのかなと思います」とコメントした。

■ 初共演の菅生新樹のコミュニケーションに驚き

今回、24歳の菅生と初共演となったが、その第一声が衝撃的だったという塩野。「最初に『塩野くんって怒らないですよね?』って言われて。その質問から入るんだって(苦笑)。『全然怒ったりとかしないよ』と返したら、『そうですよね、怒らなそうですよね』って。どういう意味だろうって」と振りかえり、「たぶん、くだけて話したい子だから、失言するかもしれないという彼なりの予告だったと僕は認識してるんですけど、実際ちょいちょいタメ口とか出てるんで(笑)。僕は全然構わないタイプなんですけど、最初にその確認から入るところもおもしろいなって。上の世代にもくだけていける」と明かした。

そのジェネレーションギャップについて塩野は、若い世代に学ぶことも多いという。「若い世代はすごく情報を吸収しているので、大人っぽいと思うことがすごくあります。ただ、誰かが書いたモノで経験した気になれちゃう時代でもあって、そこに挑戦せずに終わったり、同じ轍を踏まないように生きてしまうことで、どこか消極的だったり。あと、いろんな物事を気にしすぎる。まさに自分が今そうなんですけど、ちょっとSNSを遠ざけたくなるくらい、この発言をしたらこう思われるってことが多すぎて、個性がだんだん潰されてる気がしちゃうんです。そのへんのバランスがすごく難しいなと思います」とも。

コメディドラマで気張らずに見て欲しいと言いつつ、取材会の最後に「後半にいくにつれて、観る人によって捉え方が変わったりすると思います。その辺の感想とかみなさんつぶやいてくださったら、お互いの意見とか交換されていく作品になれば」と語った塩野。同ドラマは、3月17日・深夜0時30分から放送される(関西ローカル)。