静岡県 川勝平太知事(13日):「総意なので、トンネルを掘っていいと受け止めているところが、やや危険と思っている」

 リニア中央新幹線について、現在の考えを述べた川勝知事。13日の定例会見では、自身の「発言」に関して記者から質問が相次ぎましたが、実は今、“別の発言”についても、関係者をザワつかせているんです。

 その発言というのが…。

「必ず駅ができます」

静岡県 川勝平太知事(1月25日 牧之原市):「ともかくこの牧之原は最近注目されていて、リニアで注目されているが、空港絡みですね。全体の街づくりを考えておくといいですね。いずれ必ず駅ができます」

 川勝知事が定期的に開催している県民との意見交換の場、「平太さんと語ろう」。地域の課題について話しあう目的で開かれているものですが、この日の会場となったのは、富士山静岡空港がある牧之原市。ここで川勝知事は、富士山静岡空港に新駅ができると断言したのです。

 静岡空港は東海道新幹線のJR静岡駅とJR掛川駅の間に位置していて、空港の真下に新幹線が走っています。そこで県は、新幹線と「空の便」のアクセスを向上させるため、新たな駅を造る「空港新駅構想」を描いています。川勝知事もこれまで、新駅設置に強い期待をにじませていました。

これまでも「空港新駅」に強い期待

静岡県 川勝平太知事(2010年):「空港の真下に新幹線が走っているので、空港新幹線新駅についても強い決意を持って挑むつもり」

静岡県 川勝平太知事(2019年):「年を追うごとにその重要性が国家レベルでも認識されていて、その機能の強化に寄与する新幹線新駅の必要性が高まっているという認識を持っている」

静岡県 川勝平太知事(2023年2月):「駅造れるかどうかの技術的な調査を終えております。できるということです」

「地価が上がります」

 静岡県としては“悲願”でもある空港新駅。県はこれまでに5000万円近い調査費を計上するなど、県独自で新駅設置に向けて動いていました。そんな中で今回、「必ず駅ができる」と断言した川勝知事ですが、勢いはとまらず。

静岡県 川勝平太知事(1月25日 牧之原市):「こちらの地域の発展の可能性は、新駅が大きく担うということはもう間違いないと。だけど決まったらどうなりますか。あっという間に地価が上がります」

 空港新駅によって「地価が上がる」と発言。さらに会の最後には、県議会に対してなのでしょうか、こんな要望も…。

静岡県 川勝平太知事(1月25日 牧之原市):「ただ私一人で決められないので、県議会で川勝をいじめるのではなくて、川勝を励ますようにしていただけたらと思います。よろしくお願いします」

県議「悪徳不動産みたい」

 こうした川勝知事の発言に、県議会でも反応がありました。

自民改革会議 大石健司県議(4日):「またしても不適切な発言をした。空港新駅はいずれ必ずできます。県のトップが公の場で『地価が上がります』と言うなんて、悪徳不動産みたいなことを言うのは、どうかと思うが」

JR東海は「空港新駅」を否定

 静岡県側は「空港新駅」というゴールに向けて動いていますが、東海道新幹線の事業主体であるJR東海は…。

JR東海 丹羽俊介社長(2023年6月):「(空港新駅は)プラスの効果をもたらすことにはならいないので、設置することは難しい」

 JR東海は仮に空港新駅を設置したとしても、駅と駅の間隔が近くなり、現状のダイヤを保てなくなるなどとして新駅設置は一貫して否定しています。それでも川勝知事は13日…。

地価については「当たり前のことを申し上げた」

静岡県 川勝平太知事(13日):「空港新駅については、そこに出席されている県議会の議員がいて、公聴会が始まる前に必ず空港新駅のことは言ってくださいと懇請されたので、空港新駅のことをあえて触れた。新駅の可能性というのは、報告書にあることから可能性は高いと思っている」

 また岐阜羽島駅を例にあげ、地価についてはこんな発言も…。

静岡県 川勝平太知事(13日):「岐阜羽島というところがあるが、もともとは田んぼの中にあった。今は立派な町が出来上がっているが、駅ができると人が集中するので、従って地価が上がるということで当たり前のことを申し上げた」

 あくまで一般例として「地価が上がる」と発言したと釈明しました。