千葉ロッテマリーンズ戦力分析2024 1年間投げられればタイトル総ナメも…プロ5年目を完全開花の年に! 【千葉ロッテマリーンズのキーマン】佐々木朗希

投打に絶対的な“軸”がいないのは事実。そんな中、その“軸”になれる存在が佐々木朗希なのは間違いない。今季でプロ入り5年目と、そろそろ“育成期間”は終わりに差し掛かっている。万全の状態でシーズンを完走できれば“タイトル総ナメ”も十分ある能力を持つだけに、まずは開幕に向けてのコンディション調整、そこから1年間通して投げ続けることを最優先にシーズンに臨んでほしい。一部では“メジャー志望”の報道もあったが、その夢を実現するためにも、まずは「1年間通しての活躍」をファンに見せてほしい。

千葉ロッテマリーンズの投手陣

投手陣に目を向けると先発陣は頭数が揃っている。佐々木朗希、種市篤暉、小島和哉の3人はローテがほぼ確定。美馬学、クリストファー・クリストモ・メルセデスといった実績を持つ面々に、西野勇士や春季キャンプから快投を続ける4年目の中森俊介、先発に配置転換された唐川侑己、東條大樹ら、先発候補は実に16人。この中から実力、コンディション面を見ながらローテを回していくことになる。

とはいえ、ここ3年間ローテを守り続けている小島以外はシーズン通して先発を任せられるか、未知数なのも確か。エース候補の佐々木朗希は実力こそ飛び抜けているがシーズン通して働いた経験はなく、種市篤暉、西野勇士は故障経験者。美馬学も今季中に38歳と過度な期待は禁物。だからこその“先発16人体制”なのだろうが、吉井監督らしいフレキシブルな投手起用を期待したいところだ。

リリーフ陣に目をやると益田直也が不動の守護神に君臨するが近年はやや不安定な面も見られ、年齢的にもそろそろ後継者の台頭が期待される。また、昨季チーム最多42ホールドポイントをマークして最優秀中継ぎ投手のタイトルを獲得したルイス・ペルドモがナショナルズへ移籍。16人いる先発候補の中からも「リリーフ要因」を捻出していく必要がありそうだ。

花田 雪
(はなだ きよむ)

1983年、神奈川県生まれ。 編集プロダクション勤務を経て、2015年に独立。ライター、編集者として年間50人以上のアスリート・著名人にインタビューを行い、野球を中心にバスケットボール、大相撲、サッカー、ラグビーなど、さまざまなジャンルのスポーツ媒体で編集・執筆を行う。 著書に『あのプロ野球選手の少年時代』(宝島社)『オリックス・バファローズはいかに強くなったのか〜選手たちの知られざる少年時代〜』(日本文芸社)がある。