年間の客数はなんと2億人超え。あのサイゼリヤが愛されつづける理由はどこにあるのでしょうか?無料メルマガ『毎日3分読書革命!土井英司のビジネスブックマラソン』の著者である土井英司さんが今回紹介するのは、創業者の正垣泰彦さんによって書かれた、その秘訣です。経営だけでなく人生論も書かれた一冊は必読ですよ。

【年間客数2億人超?】⇒『サイゼリヤの法則』

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『サイゼリヤの法則』

正垣泰彦・著 KADOKAWA

こんにちは、土井英司です。

本日の一冊は、年間客数なんと2億人超、安くて美味しくて愛され続けている「サイゼリヤ」の創業者、正垣泰彦さんによる注目の新刊です。

正垣さんといえば、日経から出ている『サイゼリヤ おいしいから売れるのではない 売れているのがおいしい料理だ』が名著として知られていますが、これが実践の本だとすれば、新刊はどちらかといえば、経営哲学、自己啓発に寄った内容。

『サイゼリヤ おいしいから売れるのではない 売れているのがおいしい料理だ』

とはいえ、そこは東京理科大学出身の著者。「熱エネルギーの法則」「エントロピー増大の法則」「天動説・地動説」「ニュートン力学」「量子力学」「相対性理論」など、物理学の法則を引きながら、経営や人生の正解を説いています。

・中心なんか存在しない

・物事は放置すると、乱雑で無秩序な方向に向かう

・一番難しくても、一番喜んでもらえることを

名言のオンパレードで、ぐいぐい引き込まれ、あっという間に読んでしまいました。

書いていることは経営のことなのですが、根底に著者の人生観、人生哲学が流れており、人生そのものを見直す良いきっかけになります。

今、苦しい状況にある方も、さらなる飛躍を目指す方も、ぜひ読んでおくといいと思います。

人間は、ともすると自分中心で物事を考えがちですが、本書は、読むことで「中心がなくなり、世界との調和がとれるようになる本」です。

「成功と安らぎは「つながり」の中に

個人主義に寄り過ぎた現代人に警鐘を鳴らし、より良い生き方のヒントを与えてくれる、そんな一冊です。

さっそく、気になるポイントを赤ペンチェックしてみましょう。

もしあなたが人生やビジネスで「うまくいっていない」のなら、それは自分中心に生きている証拠です

あなたも、私も、この世界の中でつながっていますし、全体の中の一部でしかない。そこに中心はないのです

シンプル化によって努力の対象を絞り込み、少ない労力で大きな成果が得られるようにすること。一点集中をすることによって、競合がいない領域にまで進化していくことができます

■エントロピー増大の法則

物事は放置すると、すぐに乱雑で無秩序で複雑な方向に向かい、自発的には元に戻らない

一番難しくても、一番喜んでもらえることをしよう

原価計算など細かいプロセスはすっ飛ばして、まず「お客様が満足してくれそうな価格」「売れる価格」を先に決めます

価格を安くする3つの道

・仕入れを安くして原価を下げる

・運搬・貯蔵・加工コストを下げる

・作業のムダを省いて生産性を上げる

■ロマンとビジョンの条件

・借り物ではない、あなたの心の内から出てきた願いであること

・その願いが、人に喜ばれ、人を幸せにするものであること

・ほかの誰にも真似できない、あなたにしかできないものであること

広告を出さないと、経営がシンプルになります

リーダーシップとは、仲間のためを思って働くこと

あなたは、あなたのビジネスが、どんなシーンで、どのように「人のため」になっていてほしいですか?

考え方を「逆」にすれば、それはだいたい正しい

人生は、いま目の前にあるものからしか拓けない

不器用な人間によって、組織はユニークな存在へ進化する

オペレーションを簡単にするほど、お客様を幸せにできる

『サイゼリヤ おいしいから売れるのではない 売れているのがおいしい料理だ』は素晴らしい本でしたが、本書もまた良い本だと思います。

ある程度経験を積んでから読むなら、本書の方がむしろ刺さるかもしれませんね。

最後の方で書かれている、著者の死生観からも、多くを学ぶことができました。

ぜひ、読んでみてください。

image by: Takamex / Shutterstock.com

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