転職が当たり前となった今、新たな職場の上司が年下というケースも珍しくありません。しかし人によってはそれが耐え難く苦痛に感じるという話もよく耳にします。そんな状況を「好転」させる方法はあるのでしょうか。今回のメルマガ『『ゼロ秒思考』赤羽雄二の「成長を加速する人生相談」』では、世界的なコンサルティング会社マッキンゼーで14年間もの勤務経験を持つ、ブレークスルーパートナーズ株式会社マネージングディレクターの赤羽雄二さんが、読者からの質問に答える形で年下上司との関係構築法をレクチャーしています。

※本記事のタイトルはMAG2NEWS編集部によるものです

転職したら上司が10歳くらい年下になってしまいました。わかってはいたことですが、彼の未熟な言動を見るにつけ、だんだん我慢できなくなってきました

Question

shitumon

社会人になって18年、2度目の転職先で上司が10歳くらい年下になってしまいました。採用面談で会っていたのでわかってはいたことですが、2ヶ月くらいしてだんだん我慢できなくなってきました。面談時は特に気がつかなかったのですが、切った貼ったという状況では、いろいろ未熟な言動が多発しています。他部門との交渉で、押すべきところを躊躇したり、感情的になりすぎて引かれたり、なんだんだ、これは、という感じです。頭は悪くないのですが、マネジメント経験が乏しいし、器の小ささが非常に気になります。40歳にもなって、こういう若造の言う通りにしないといけないのかと嫌になります。どうしたらいいでしょうか。

赤羽さんからの回答

ご相談どうもありがとうございます。わかっていても嫌ですよね。比較的、尊敬できる上司でも10歳も年下だとあまりいい気分はしないでしょう。未熟な上司だと我慢しづらいのはよくわかります。

ただ、もう転職してしまったので、いったんその気持ちを横におくしかありません。人を見て未熟と思う気持ちは、本当に未熟かどうかよりも、実は自分への腹立ちと、あせり、それに嫉妬などから来ます。

未熟と決めつけて、心のバランスを取ろうとすることが多いように感じています。

確かに他部門との交渉で、押すべきところを躊躇したり、感情的になりすぎて引かれたり、うまく行っているところで余計な一言で大きな魚を逃したり、10歳年下だと思うと、余計気になることでしょう。

ただ、5〜10歳年上の上司が同じような傾向を示すこともよくありますが、そのときも未熟と思うのでしょうか。

だめな上司だなあとは思うものの、今ほど不愉快ではないのではと想像します。その差は10歳も年下の上司の下にいなければいけないという、「自分への腹立ち、あせり、嫉妬」から来ているように思います。

そもそも、自分の正義、自分の物差しで測って、人を非難したり、低く見たりしても、いいことは何もありません。

気分が悪いだけです。上司に働きかけて改善してもらうことも、あまり現実的ではありません。

年下かどうかではなく、ご自身のタスクがどれほど順調に進んでいるのか、KPIが確実に達成できているのか、上司に報連相をきちんとして、それなりに納得してもらいながら進められているのか、だけしばらく気にしてみてはいかがでしょうか。

結果が出て、好循環が生まれてくると、上司の未熟さなどはあまり気にならなくなります。むしろ、年下のよさもあって、多くを任せてくれることもあり、いつの間にか建設的、生産的な関係になっているかもしれません。

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