ゼレンスキー大統領の参加により、全世界からさらなる注目を集めることとなったG7広島サミット。直前までオンラインによる会議への参加とアナウンスされてきたゼレンスキー氏ですが、なぜ戦時下の大統領は日本訪問を選んだのでしょうか。今回のメルマガ『在米14年&起業家兼大学教授・大澤裕の『なぜか日本で報道されない海外の怖い報道』ポイント解説』では著者の大澤先生が、考えうる4つの理由を挙げ各々について解説。さらにアメリカの有力紙に掲載された興味深い記事を紹介しています。

ゼレンスキー大統領の訪日目的、中国の存在感

最後の最後にG7サミットへの出席を決めたウクライナのセレンスキー大統領、サミットの主役に躍り出た感じです。

この原稿を書いている20日土曜日夜の時点では、サミット終了後にどのような声明が出されるのはわかりませんが、彼の今回の訪日の目的を考えてみましょう。

1.反核のアピール

G7にさらなる支援を求めるのは当然ですが、「広島」開催ということ自体に大きな意味があります。

現在、ゼレンスキー大統領が恐れているのはロシアの核使用です。

そこで開かれるサミットに参加することで、世界の耳目を集め、「核の不使用は絶対だ」というアピールをしたいものと思われます。

2.F-16供与の詰め

バイデン大統領はF-16戦闘機を他国がウクライナに提供するのを容認すると述べました。パイロットの訓練も支援するとしています。

しかしながら、F-16戦闘機をいつ、何機、誰が提供するかは、まだ決まっていません。

ゼレンスキー大統領は、このあたりを直接にバイデン大統領と詰めて言質を得たいのでしょう。

3.インドのモディ首相への根回し

インドは、ウクライナ戦争について慎重な姿勢で、ロシアの侵攻を明確に非難することは避けてきました。

インドはロシアの武器や石油の主要な買い手でもあるからです。

ゼレンスキー大統領は、開戦後にインドのモディ首相と会ったことがありませんでした。今回は支援を訴えるよい機会だったのでしょう。

4.アラブ首脳国会議にも出席できる

たまたまサウジアラビアで19日、アラブ連盟(21カ国・1機構)首脳会議が行われていました。サウジアラビア経由でその会議に出席してアラブ諸国の指導者を前に演説することができました。

最後にワシントンポストに面白い記事がでていましたので紹介します。

G7は5月20日土曜日、「中国に危害を加えることを望まず、中国と率直に関わり、中国に直接懸念を表明することの重要性を認識する」と述べた。

 

また中国に対し、「ロシアにウクライナでの戦争を終わらせるよう圧力をかけ、包括的で公正かつ永続的な平和を支持する」よう促しました。

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解説

3月19日号の本メルマガでも解説ましたが、驚くべき事に、中国は8年前にウクライナと核攻撃に関する合意をしています――(この記事はメルマガ『在米14年&起業家兼大学教授・大澤裕の『なぜか日本で報道されない海外の怖い報道』ポイント解説』5月21日号の一部抜粋です。ご興味をお持ちの方はこの機会に初月無料のお試し購読をご登録ください)

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