再び「デスティニープラン」が陰を落とす?

 劇場版『機動戦士ガンダムSEED FREEDOM』が、いよいよ2024年1月26日から公開されます。新規映像が使われている特報でファンの期待も盛り上がっています。そこで、現在公開されている特報映像からいくつかの展開を予想していきましょう。

※本記事は考察によってネタバレとなる可能性がある記述が含まれています。閲覧にはご注意下さい。

 今回の主人公側組織として発表されているのが「世界平和監視機構コンパス」です。ラクス・クラインを総裁とし、キラ・ヤマトをはじめとするエースパイロットが所属していました。

 その敵対組織は公式に発表されていませんが、特報などを見ると「新興国ファウンデーション」だと思われます。ブルーコスモス本拠地への合同作戦をコンパスと行うなど、一見、味方と思わせていますが、これは利用して後に裏切るパターンかもしれません。

 ちなみにファウンデーションとは英語で「基礎」や「土台」で、転じて基金(ファンド)や財団という意味でもあります。アウラ・マハ・ハイバルという幼き女王を頂点にしていますが、いくつかの疑問がありました。新しく建国されたにもかかわらず年齢的に幼い人物が頂点にいるという点です。

 しかも最新版の予告編では「子供たちよ、新たな未来へ」と言っていました。ひょっとしたら見た目の年齢と、大きく違う精神年齢を持っているのかもしれません。コズミック・イラの技術で言えば、誰かの「クローン」ということが考えられます。「彼女の研究テーマは、コーディネイターを超える種を創り出すこと」というアスラン・ザラのセリフも、アウラを指している可能性があります。

 そう考えるとファウンデーションはプラントに匹敵するか、それ以上の技術力を持っていると考えられるでしょう。敵対勢力としてはコズミック・イラ最強の存在なのかもしれません。そして、彼らの野望のひとつが「デスティニープラン」の遂行だと考えられます。

 デスティニープランは『機動戦士ガンダムSEED DESTINY』に登場した人類救済計画で、最終決戦の引き金になりました。唐突な話と思うかもしれませんが、公式サイトのキーワードで解説されていることからも、今回の劇場版でも大きく関わってくると考えられます。

 このデスティニープランを提唱した、元プラント最高評議会議長ギルバート・デュランダルの名前が劇場版のキャスト欄にあることからも、本編での登場は間違いありません。戦死したデュランダルがなぜ登場するのか? 回想シーンだけなのか? 一部のファンのなかには実は生きていたのではないかと考える人もいました。

 それと気になったのが、特報でラクスが握手をした人物です。この時、ラクスは何かを感じ取っていました。袖からすると、その人物はファウンデーションの誰かです。しかし、どうしてラクスはこの人物と共鳴したのでしょうか? それはこの人物が特殊な何かを持っていたからと考えられます。おそらくこの人物が前述した「コーディネイターを超える種」なのでしょう。そしてキラたちの前に立ちふさがる最大の敵かもしれません。

「インパルスガンダムSpec II」は劇場版で登場予定だが、誰が搭乗するかは明かされていない。画像は同MSを立体化した「RG 機動戦士ガンダムSEED FREEDOM フォースインパルスガンダム SpecII 1/144スケール 色分け済みプラモデル」

まだ隠し玉がある? 物語後半で起きそうな交代劇とは?

 これまで発表されてきたMS(モビルスーツ)に関しても考察できることが多々あります。

 まず新型ガンダムの「ライジングフリーダムガンダム」と「イモータルジャスティスガンダム」の2機。新型ガンダムという点に目を引かれてしまいますが、以前、使っていた「ストライクフリーダムガンダム」と「インフィニットジャスティスガンダム」はどうしたのでしょうか?

 この2機が登場しない理由は、「ユニウス条約」で禁止された核エンジン搭載型だからです。世界平和を維持する組織が、地球連合とプラントの間で締結された停戦条約を破るわけにはいきません。つまり新型のフリーダムとジャスティスは、通常のMSと同じバッテリー型なのでしょう。

 さらにこの新型ジャスティスのパイロットは、これまでのアスランでなく、シン・アスカの可能性があります。なぜならば新型ジャスティスはコンパスに配備されていますが、アスランは別組織「ターミナル」にいると発表されていました。

 つまりコンパス所属のMSである新型ジャスティスには順番的に、シンが搭乗すると考えられます。しかし、そうなると「インパルスガンダムSpec II」のパイロットが気になります。これを踏まえると、劇場版での「MSの乗り換え」が予想できます。

 それは一度、「コンパスが敗北する」という可能性。それにより新たなMSが必要になるという展開でしょうか。その最大の理由は敵MSが条約で禁止されている核エンジン搭載型だからです。

 これに関しては名前から推測できますが、ファウンデーション所属のMS「ブラックナイトスコード シヴァ」と「ブラックナイトスコード ルドラ」。この2機の英語表記の末尾が小文字から急に大文字の「A」になっています。末尾の「A」はザフトで言えば核エンジン搭載型であることを示していました。

 この推測が正しければ、バッテリー型のフリーダムでは核動力炉の新型MS相手に対して分が悪くて当然ということです。

 そしてデザイン画を見ると一目瞭然ですが、他のMSには左肩にコンパスのエンブレムがあるのに、インパルスにはありません。つまり新型インパルスは何処からか運び込まれてくるわけです。つまりアスランがインパルスで駆けつけるという可能性が大きいでしょう。

 そして、核エンジン搭載型の新型のフリーダムとジャスティスが登場、逆転劇が始まると考えられます。この時、フリーダムとジャスティスの運用艦「エターナル」が登場、それを指揮するのが、いまだ登場が発表されていないアンドリュー・バルトフェルドかもしれません。

 ちなみに終盤でシンが何に乗るのかもわかりませんが、予告編で気になるカットがありました。カガリの机の上にあった3冊の本。その一番上に「アカツキ」の文字があったことです。下に隠された2冊が新型フリーダムとジャスティスと考えると、アカツキも何らかのパワーアップがされたのでしょう。

 本来ならばアカツキはムウ・ラ・フラガが乗る可能性が高いのですが、予告編で撃破されるシーンがあり、終盤は戦線から離脱する可能性があります。そう考えると、もともとオーブ国民だったシンが遺恨を完全に乗り切った証としてアカツキに乗るという展開かもしれません。

 ちなみにシンがもともと乗っていた「デスティニーガンダム」を修理して乗り込むという可能性もあります。しかし、劇場版のコピーのひとつ「決められた運命か、あらがう自由か」から考えると、デスティニーはむしろラスボスに相応しい名前にも思えませんか?

 これらすべて筆者の個人的な予想ですが、現在、公式で発表されている情報をつなぎ合わせると見えてくるものであります。はたして公開される本編ではどうなるのでしょうか?

 公開まで残り約1か月。真偽はともかく、予想する楽しみが盛り上がる期間です。みなさんは現在の情報から、どんな展開を予想しますか?