ディズニー+で実写化されてファン驚愕

 毎年一定数が制作される人気マンガの実写化作品は、多くのヒット作を生み出してきました。そのなかでも青年向けマンガの実写化は、年齢制限を伴うような表現が多いため「どこまで実写化するの?」とたびたび話題にあがります。今回は、実写化不可能とも言われていたエロ・グロ・ゴアシーンの描写を忠実に再現し、著名人のファンからも高い評価を獲得している「R指定」の作品を3つご紹介します。

●『ガンニバル』R15+

「原作通り全てイカれてて最高!」「グロだけじゃなくて田舎の嫌なところが詰まってる感じが面白い」と評判を呼んだのが、ドラマ版の『ガンニバル』(原作:二宮正明)です。2022年末から「Disney+」で全7話が配信され「シーズン2が楽しみ」と、絶賛の声があがっています。

 閉ざされた山間の田舎の供花村が舞台で、この村には「人が喰われるらしい」という恐ろしい噂がありました。前任者の失踪に伴い村に駐在として赴任した阿川大悟(演:柳楽優弥)はその謎に迫り、自分自身も狂気に飲み込まれていきます。

 監督自らメイキングで「死体はどこまでちゃんと映すか」と語るほどのリアルな死体の作りや、かつて生贄だった男の鼻と目がえぐれた顔の傷など、原作を丁寧に再現した不気味でグロテスクな描写は、さすがR15+指定のクオリティです。

 また「常に暗闇に何かいそう」というジャパニーズホラーの要素や、よそから入ってきた新参者を監視する隣人、村を牛耳る後藤家の薄気味悪い儀式、そして謎の巨大な老人「後藤家のあの人」の原作そっくりなビジュアルなど、グロ要素以外にも背筋のゾクゾクするような要素が満載です。

●『ミスミソウ』R15+

 大ヒット公開中の実写映画『ゴールデンカムイ』にアシリパ役で出演している山田杏奈さんの映画初主演作が、押切蓮介先生の『ミスミソウ』です。山田さんは主人公・野咲春花役を演じ、中学生にして狂気的な復讐者となるヒロインとしての演技が高く評価されています。

 東京から田舎に転校してきた春花は、同級生からの壮絶ないじめに耐える日々を送っていました。いじめは日々エスカレートし、ついには半分事故的とはいえ自宅を燃やされ、家族を焼き殺される事態にまで発展してしまいます。

 ずっといじめを黙って受け入れていた春花ですが、ここで泣き叫びながら、放火に関与した人間をひとりずつ復讐しようと決意するのです。

 この先からは、原作を忠実に再現した圧倒的な暴力シーンが続きます。目に突き刺さった釘、ナイフで切り飛ばされた指先、崖から落ちて折れ曲がった足、はらわたが引きずり出た身体など、真っ白な雪原が春花の復讐によって赤く染まっていきました。

 残酷で目を背けたいシーンばかりですが、白銀の世界と鮮血の対比が際立つ芸術的な映像美も感じさせてくれます。原作とは違う切なくもさわやかなラストや、監督の内藤瑛亮さんが「透明感の暴力」と表現した山田さんの演技も、各所で絶賛されました。

●『うみべの女の子』R15+

 中学生同士の過激な性描写もリアルに実写化し、話題を呼んだのが『うみべの女の子』です。マンガは2009年に発表されましたが、いまだに若い世代から圧倒的人気の高い作品です。

 中学生の小梅(演:石川瑠華)は、観光客もやってこない小さな海辺のある街で暮らしています。憧れだった先輩に手酷いフラれ方をした腹いせに、小梅はかつて自分に告白してきた磯部(演:青木柚)を誘って初体験を済ませました。その後も幾度となく歪な身体の関係を持つ2人ですが、ストーリーが進むにつれて磯部への気持ちが高まる小梅に対し、磯部は小梅の気持ちを馬鹿にした行動を繰り返します。

 やるせないヒリヒリとした青春の1ページを描いた本作は、中学生同士が体を重ねるシーンだけでなく、磯部が小梅とセックスしたときの話を生々しく語ったり、「穴がついていればいいから」といったセリフが飛び出したりと、随所に過激な性への描写や言動が散りばめられています。

 当然R指定となりましたが、浅野先生も同席したオーディションで選ばれた主演の石川さんと青木さんは、映画情報サイト「CINEMORE」のインタビューで、「それが必要だからこそ描くのであって、この漫画と映画ではそれが必然だったと思うんです」「小梅と磯辺が体を交わしていくことで、二人の心情や関係性が変化していく。それを表すための描写だった」と語り、丁寧に撮影を進めていったことを振り返っていました。

 原作とビジュアルもかなり近いふたりの熱演は評判を呼び、「ちゃんと葛藤しながら身体を重ねてる演技がうまい」「気まずくもなるけど、身体の関係を結んでも心が重ならないことがひしひし伝わって切なかった」など賞賛を受けています。