『ボーボボ』の生みの親の変化にファンは驚愕?

『ボボボーボ・ボーボボ』(著:澤井啓夫)は、Netflixでもアニメが配信開始され、再び「ハジケリスト」を令和の世に発生させています。

 そのいかれたハイテンションギャグは当時からして異端であり、平成以降のギャグマンガシーンに多大なる影響を与え続けてきました。さて、その作者である澤井啓夫先生ですが、『ボーボボ』以降、どのような作品を世に送り出してきたのでしょうか?

 まず『真説ボボボーボ・ボーボボ』終了後、初めての連載となったのが『チャゲチャ』(2008年)です。こちらも相当にハジけた内容ではありましたが、全8話という短さで終了してしまいます。とはいえ、エクストリームに澤井ワールドを楽しみたいのであればむしろおすすめの一作です。

 その後、2011年12月より「最強ジャンプ」で連載されたのが『ボーボボ』のスピンオフ版である『ふわり!どんぱっち』(のちに「少年ジャンプ+」に移籍し『ほんのり!どんぱっち』として連載)です。さて、こちらが公開されるや『ボーボボ』ファンは衝撃を受けました。

 タイトルの通り首領パッチが主役で、ビュティの家に居候しているという設定です。ただし、澤井先生の画風が別人レベルにまで変化していました。ジャンルでいえば日常ほのぼのギャグということで、やわらかなタッチが特徴です。

 さて『どんぱっち』の連載が終了してからはしばらく、新作の発表がありませんでしたが、澤井先生は2018年に「少年ジャンプ+」にて読み切り『ミンチ食堂』を発表しました。イケメン悪魔と定食屋の娘であるマキとの異世界間の友情を描いたコメディであり、冒頭数ページは言われないと、澤井先生の作品だと気付けないほどです。

また2021年には同じく「少年ジャンプ+」にて、読み切り『フロントライン・スピリッツ』を発表しました。こちらはバトルマンガですが、登場人物は美形であり、なかなかどうして澤井啓夫先生の作風の変化を感じる……と思いきや、テンションは全くもって私たちのよく知る澤井ワールドそのものです。

唐突な暴力、理不尽すぎる展開など作風自体は変わっていません。何なら前述の『ミンチ食堂』も後半は怒涛のギャグが続き、これこそ「ずっと読みたかったもの」に他なりませんでした。

「画風」の選択肢が増えたことにより、今後ますます描ける世界が拡がったであろう澤井啓夫先生の新作は、期待せずにはいられません。これから、どんな作品を届けてくれるのでしょうか。