整形は「悪」なの? 容姿にコンプレックスを抱く女性の苦悩

 学生時代から自分の容姿にコンプレックスを抱いていた、主人公の宮本れいな。容姿をバカにする男子たちとは違い、仲良くしてくれていた人気者の同級生のゆいかに憧れていました。れいなは、ゆいかのようになるために整形手術で理想の容姿を手に入れます。時は経ち、れいなはアイドルとして忙しい日々を過ごしていた彼女のもとに同窓会の案内が届きます。唯一会いたいと思うゆいかのことを考えていると、街中でばったり再会して……?

 あめみくろさん(@ammkr2222)が『整形したアイドルの話』としてX(旧:Twitter)に投稿した『もちろん推してね!?』(KADOKAWA)が話題です。いいね数は18万を超えており、読者からは「メンバーたちの関係性が熱い」「キツイ展開だったけどいい結末だった!」「マネージャーの機転が素晴らしい」などの声があがっています。

 あめみくろさんは漫画家として活動しており、今作以外にも、X(旧:Twitter)で投稿した作品や過去の読み切り作品を収録した短編集『どうせ死ぬんだし、好きにさせてよ』(KADOKAWA)が発売中です。

 作者のあめみくろさんにお話を聞きました。

ーー今作『整形したアイドルの話』が生まれたきっかけや、理由を教えて下さい。

 今のルッキズムの世の中で、もがく女の子が描きたいなと思ったのがきっかけです。昔より今の方がネットなどの発展もあって、赤の他人から顔について評価されることが多くなってきていると思います。私自身も他人の顔を勝手に貼り付けて、好き放題言うような現代の雰囲気が嫌だなと感じていたので、そんななかでも負けずに強く自分らしく生きようと頑張る女の子を描きたいなと思いました。

ーー女の子の苦悩やアイドルの世界の描写がとても印象的でした。今作を描くうえで気を付けたことや、お気に入りのシーンなどはありますか?

 一人ひとりに違った、それぞれの苦悩や地獄があることが伝わるように、モノローグなどの文字情報のほかに、表情にも感情を乗せるようにすることにも気を付けました。メンバーたちが目に涙を浮かべるシーンはみんなお気に入りです。

炎上系(!?)アイドルたちのサクセス・ストーリー『もちろん推してね!?』第1巻(KADOKAWA)

ーーれいなのキャラメイクが評判です。このキャラクター制作でこだわった点はありますか?

 最初の髪を染める前のれいなは、誰よりもアイドル意識が高いので男の人にウケるような髪型、髪色を意識しました。吹っ切れた後のれいなは、自分軸で生きようと決めた後なので、女の人にウケるようなビジュアルにしました。

ーーれいなの心境や周りとの関係性が変化していく展開に読者の方から多くの反響がありました。このストーリー構成のアイデアはどのように浮かびましたか?

 もともと炎上系YouTuberの配信を拝見していたので、そこからヒントを得ました。活動の復活の仕方はすごく悩みましたが、現代らしい方法にしたいなと思ってYouTubeを使おうと思いました。

ーーそのほかにも、たくさんの感想が寄せられています。特にうれしかった感想の声、印象に残った読者のコメントはありましたか?

 共感の声がとても多く、誰かの考えの一部の要素になれたことがとてもうれしいです。続きが気になるの声もとても活動の励みになりました。伏線に気付くくらいまで読み込んでくださっている方もいて、とてもうれしかったです。

ーー今作が収録された『もちろん推してね!?』全2巻(KADOKAWA)が2024年2月9日に発売されました。あらすじや見どころを教えて下さい。

 地下アイドルの女の子たちが、それぞれの問題を抱えながら前に向かって進んでいくストーリーです。一人ひとりに思い入れがあってどの子もかわいいので、ぜひ推しのメンバーを見つけてほしいです!

ーー今後はどのような創作活動をされる予定ですか?

 まだまだマンガを描いていくつもりです。『もち推し』とはまた違ったジャンルのマンガも描いていく予定なので、読んでいただけたら幸いです。