再登場を期待されている序盤の敵キャラたち

 長い歴史を築くマンガ『ONE PIECE』には、物語序盤から魅力的な敵キャラクターが数多く登場していました。また序盤に姿を消したキャラクターが成長し、後に再登場する流れも多いため、今後の展開に期待をするファンは多いようです。

 まず物語の序章である「東の海(イーストブルー)編」で訪れた、ルフィたちがウソップと出会った場所でもあるシロップ村に登場したキャプテン・クロは未だに印象的なキャラです。クロネコ海賊団の元船長であるクロは、自身の目的を果たすためにクラハドールと名を変え、3年間も村一番の資産家の執事を務めていました。

 自称、平和主義者であるクロは、長く潜入することで信頼を築き、穏便に資産を継承するのが目的でした。いかにも知的で、策略家であることが窺える一面です。

 また、クロの戦闘シーンも魅力的でした。無音で高速移動する「抜き足」と呼ばれる移動法にプラスして、指先1本ずつに刀を装着し、合計10本の刀を扱う「猫の手」と呼ばれる独特な武器を使って戦います。このふたつを組み合わせた必殺技「杓死(しゃくし)」は、今でも印象に残っている人が多かったようで、2023年の実写版ドラマでも存在感を発揮しました。

 そんなクロは、長らく鳴りを潜めていましたが、原作第1090話の扉絵にて再登場します。これは読者の希望に答える、「扉絵リクエスト」の企画で描かれたものでした。しかし、このタイミングでの登場に、何かしらの意味を探る考察が相次ぎ、「今後の伏線?」「あえてクロを題材に選んだのは意味があると思いたい」などの声が出ています。

「再登場に期待」という話題の常連キャラ、クリーク海賊団の戦闘総隊長ギンも忘れてはいけません。ギンは「鬼人のギン」という呼び名を持つほど、残酷な性格の持ち主です。しかしギンの魅力は、実は義理固い人間性も持ち合わせているところでした。

 自身が餓死寸前だったときにご飯を食べさせてくれたサンジに対して厚い恩を示しており、サンジを追い込むも、殺すことまではできませんでした。この行動が裏切り者と見なされ、ギンは首領・クリークからの毒ガス攻撃を受けてしまいます。

 絶命寸前のギンでしたが、その後サンジに「グランドラインでまた会おう」と言い残し、バラティエを去りました。この伏線が回収される日を心待ちにしているファンは多く、「ギンさんの再登場一生待ってます」などの声が相次いでいます。

 初登場時から、どんどん株を上げている敵キャラクターといえば、ベラミーでしょう。ベラミーの初登場は、空島へいく前のジャヤ島です。このときのベラミーは極悪非道な現実主義者であり、夢を見るルフィたちを嘲笑していました。この時は、どうしようもないチンピラといった印象です。

 その後、ベラミーとルフィは戦闘することになります。「バネバネの実」の能力で飛び回るベラミーは、ルフィに一撃でねじ伏せられました。見開きで描かれたこのシーンは、同作のなかでもかなりスカッとする名シーンのひとつです。

 そんなベラミーは、ドレスローザにて再登場します。しかし、その際のベラミーには、少し変化が見られたのです。ドフラミンゴに見捨てられる経験や敗北を経験したベラミーは、男らしさと人間味が増しており、応援したくなる魅力的なキャラに成長していました。

 そしてベラミーは現在、染め物職人を目指しており、海賊旗を製作している姿が扉絵にて描かれています。これはラフテルに到着したルフィたちに対し、ラフテルに立てる海賊旗をプレゼントするという、素敵な伏線の可能性もあるのではないでしょうか。