やはりルフィの父親はロジャーなのか?

 マンガ『ONE PIECE』の主人公であるモンキー・D・ルフィの「親族関係」には、さまざまな考察があります。そもそもルフィの父親は、一時期までかつての海賊王ゴール・D・ロジャーではないかと言われていました。

 しかし、「エニエス・ロビー編」にて、海軍中将でありルフィの祖父のモンキー・D・ガープによって、ルフィの父親は革命軍総司令官のモンキー・D・ドラゴンである事実が告げられます。そして後に、ルフィの義兄弟ポートガス・D・エースの父親こそが、ロジャーだったという事実が明かされました。

 とはいったものの、このふたつの親子関係には、ところどころ違和感が存在しています。まずに、顔のパーツに関するものです。4人の顔を見比べたところ、ルフィとドラゴンは全く似ておらず、ルフィ本人も作中において「あんま似てねェな」と口にしています。ドラゴンの目つきの鋭さは、どちらかといえばエースに似ているかもしれません。

 そして、ルフィに父親を伝える重要な場面で、ガープはなぜか鼻に指を突っ込みながら、いかにもイタズラな表情を浮かべていました。この違和感から「嘘を教えたのでは?」と、推測する声も多いです。

 さらにインペルダウンで出会った革命軍のイワンコフは、ルフィがドラゴンの息子だと聞いて「ヴァカおっしゃい!!!」「息子がいたの!!?」と、目玉が飛び出るほど驚いていました。これは、長く行動をともにしてきたイワンコフの知る限り、ドラゴンにルフィほどの年齢の子供がいるなど、あり得ないと思ったからでしょう。

 作中ではボニーの「トシトシの実」や光月トキの「トキトキの実」、しのぶの「ジュクジュクの実」など、人間の年齢に矛盾を生じさせる能力が複数登場しています。こうした能力でルフィが誕生するタイミングをズラすことができれば、現在19歳であるルフィが、24年前に処刑されたロジャーの息子である可能性もすてきれません。

 そもそもルフィは家族とのつながりを特に大事にする性格の持ち主です。エースのことを本当の兄のように慕っており、ピンチのエースを命懸けで助けようとしたルフィの姿は、今でも記憶に新しいでしょう。

 そんなルフィは、自分の父親がドラゴンと知ってからも、その存在に興味すら持っていないように見えます。革命軍の本拠地が壊滅したニュースを新聞で見た際も、もうひとりの義兄弟で革命軍に所属しているサボの心配しかしていませんでした。

 また、ロジャー海賊団が最後の島「ラフテル」を訪れた後の描写が描かれた968話では、「ワンピースか…誰が見つけるんだろうな」という副船長レイリーに対して、ロジャーが「そりゃ俺の息子だな!!」と答えるシーンがありました。

 これは過去編での描写ですが、すでに本編ではエースの死が描かれています。「すでに死んでしまっているエースに、希望を持っていたロジャー」という、悲しい上に少し違和感のある描写にも映ります。

 これらのことから、やはりルフィの父親はゴール・D・ロジャーだったという展開も、まだ捨てきれないのではないでしょうか。父親の叶えたかった夢を実の息子が代わりに実現する、というストーリーは王道の少年マンガらしい展開です。

 この真偽が発覚するときは、次に訪れるルフィとドラゴンの対面シーンとなるのでしょうか。今後の『ONE PIECE』からも目が離せません。