深夜ならではのドキドキシーンも

 地上波のTV番組にはさまざまな規制があるなか、挑戦的なスタイルを貫き、大きな注目を集めた深夜ドラマは少なくありません。今回は深夜放送を逆手にとり、そもそも過激な内容のマンガを、ふんだんに衝撃描写を盛り込んで実写化したドラマを振り返ってみましょう。

●ゴールデン帯では放送できない胸糞エピソード目白押し! 『怨み屋本舗』

 2006年に放送された『怨み屋本舗』は、復讐代行業を題材にした栗原正尚先生の人気コミックスが原作です。TVシリーズの第1、第2シーズンに加え、過去2度にわたってスペシャルドラマも制作されており、女優の木下あゆ美さんが演じる妖艶な主人公が話題になりました。

 物語は「怨み屋」を名乗る女性(演:木下あゆ美)が依頼者に代わって悪人に鉄槌を下すといった流れがお決まりです。その悪人たちの行動は揃いも揃って下劣なものばかりで、放送できたのが不思議なほどの胸糞悪いエピソードも数多く展開されました。

 例えば第3話では、再婚相手の娘に手を出す継父、第4話では新婚の夫婦を拉致し、夫の目の前で妻を凌辱した挙句、自殺に見せかけて殺してしまう少年たちが登場します。とくに第4話の少年たちは人を殺しておきながら全く悪びれた様子はなく、それどころか「やっぱ人妻っていいよな……」と笑い話にする始末です。ネット上でも「あまりに内容が残酷すぎて脳裏から離れない」「この話ばかりは、復讐シーンで『軽い、もっとやれ』って思ってしまった」などの声があがっていました。

 最終的に制裁が下されるとはいえ、気持ちのいい話ではないので視聴の際はくれぐれもご注意ください。

●ガクトの脱糞シーンも忠実に再現した『監獄学園−プリズンスクール−』

 かつて映像化不可能と言われた人気マンガ『監獄学園−プリズンスクール−』は、2015年に実写ドラマ化、アニメ化を果たしました。男女比1対200の高校で、「裏生徒会」によって尊厳を踏みにじられる男子生徒たちを描いた学園ブラックコメディです。

 同作といえば、胸チラあり、パンチラあり、脱糞、放尿あり……と、なんでもありの作風が特徴的で、ドラマ版も放送コードギリギリの過激描写が満載でした。例えば第1話で主人公の「キヨシ(演:中川大志)」たちが女子風呂を覗こうとするシーンでは、女の子の入浴シーンや手ブラカットが登場し、さらにキヨシのクラスメイト「千代」役を演じた当時18歳の武田玲奈さんも下着姿を披露しています。

 さらに第3話では、原作屈指の迷シーンであるキヨシの友人「ガクト」の脱糞シーンが忠実に再現されました。キヨシの脱獄に必要な脱糞音を録音するため、自ら教室内でウンコを漏らすという衝撃のくだりを、柄本時生さんがみごとに演じています。

 またこのドラマを語る上で、「裏生徒会」の書記「緑川花」を演じた森川葵さんの体当たり演技も外せません。花は外で放尿しているところを偶然キヨシに見られてしまったことで、彼に恨みを持つようになります。

 ドラマでは、その衝撃の放尿シーンがしっかりと再現されているほか、「私が味わった屈辱を浴びせてやるわ!」とパンツを脱ぎ捨てたり、キヨシのファーストキスを奪おうとして逆に白目を剥いて悶絶してしまったりする花の迷シーンが、ことごとく映像化されていました。原作ファンの間でも「よくぞここまで体を張ってくれた!」と称賛されたほどです。

キービジュの時点で「何持ってんだよ?」 衝撃実写版ドラマ

●人気女優が亀甲縛りで犬食い? 『来世ではちゃんとします』

『来世ではちゃんとします』DVD-BOX(TCエンタテインメント)

「グランドジャンプ」で連載中の『来世ではちゃんとします』は、2020年にTVドラマ化、そのあと3シーズンまで放送されたほか、スペシャルドラマや配信オリジナルドラマなども制作された人気シリーズです。また、主演の内田理央さんが電動マッサージ器を片手に持ったポスタービジュアルは、当時大きな話題を呼びました。

 同作では性をこじらせた大人たちの生き様を描いており、5人と同時進行で関係をもつ性依存の女性や、リアルな恋愛に嫌悪感を示すBLオタク、処女厨、風俗ガチ恋など、「多様な性のカタチ」が表現されています。

 かなり偏った性事情がドラマにも反映されており、なかでも性依存系女子「大森桃江(演:内田理央)」とハイスペックなドSイケメンこと「Aくん(演:塩野瑛久)」によるハードなプレイは衝撃的でした。あるときは亀甲縛りされたままオムライスを犬食いし、またあるときはジャングルジムに緊縛されたままコトを致す……という、原作でもなかなかショッキングだった絵面を、人気女優の内田さんがしっかりと再現しているのです。

 何かと規制の多いTV業界ですが、深夜枠のドラマにはまだまだ可能性が残されているような気がしてきますね。