「PS5のコントローラーで操作できるマウスをつくってみました。いまのところ用途は不明です」

こんなポストをされたのはフリーランスのフロントエンジニアとして活躍されている君塚史高(@ki_230)さん。投稿された動画にはPS5のコントローラーでなぜかパソコンのマウスを操作し、動かしている様子が映っています。

今のところ用途は不明とのことですが、これからどのような使われ方をしていくのでしょうか!?

「マウスに手を置くのめんどくさいなって思った時あるよね。そんな時に使える」
「これはこれであり」
「久しぶりにこれほどの才能の無駄遣いを見たな」
「マウス嬉しそう」

実際、何に役立つのかは不明ですが、確かな技術やマウスの動きに驚きの声が寄せられました。このPS5のコントローラーでマウスを操作するポストをされた君塚史高さんにお話を聞きました。

ーーPS5のコントローラーで動かせるマウスを作ろうと思ったのは?

「まず、動画に映っているものは、現時点では未完成で、マウス型のラジコンです。本当に作りたかったものはマウスで操作するマウスで、制作のきっかけは「マウスでマウスを動かしたら"マウス to マウス"だ」と思いついたことです。実現のためには、

1コントローラーとしてのマウス
2ラジコンとしてのマウス

の2つのマウスが必要で、まずはラジコンとしてのマウスを作成し、動きが可愛かったので進捗記録として動作の様子を撮影したものが投稿した動画です。もともとマウスの中に入っていた基盤を抜いて、toioを入れている(マウスの裏側の写真を参照)ので、カーソル操作やクリックなどの機能は現状ありません」

ーー制作時間はどのくらいかかったのでしょうか?

「現在も制作は続いているのですが、思いついてから動画を撮影するまでは1日です。繰り返しになりますが、現時点では、マウスの筐体にtoioを収納しているだけです。具体的に行なった作業としては、以下の通りです」

・マウスの分解
・治具のモデリング(治具の写真を参照)
・治具のプリント(治具と治具+toioの写真を参照)
・toioをPS5のコントローラで動かすためのプログラム作成
・組み立て

ーー他のコマンドを押すと何か起こるのでしょうか?

「実は音が出ます」

ーー今後の用途としてはなにか思いつきましたか?

「まず、追加機能としてマウスとしても使えるようにカーソルの移動、クリック機能の搭載を目指しています。ただ、作ってみてわかったこととして、本物のマウスのように真横に移動させることができないので、使い勝手がとんでもなく悪いという問題点を抱えています。当初の予定通り『マウス to マウス』を目指してコントローラー側のマウスも開発中ですが、やはり真横には移動できないので、そこをうまくカバーする工夫が必要で、絶賛苦戦中です」

ーー今まで、開発してきた物のなかで、特にお気に入りのプロダクトは?

「『良かれと思って機能を追加した結果、元の機能を台無しにする』というコンセプトのもとつくった『台無しプロダクト』がお気に入りです。

なかでも、ステルスな武器なのに、光るという機能が追加された結果、目立ちまくってしまう『光るまきびし』は実際に制作・販売したこともあります(現在は販売終了)。

時計に過度な丁寧さを追加したことにより、時刻の確認にものすごく時間がかかってしまうAlexaスキル『丁寧すぎる時計』は現在もネットで公開中で、優秀な作品かなと思っています」

ーー開発を始めたきっかけは?

「大学院でラピッドプロトタイピングを学んでから、趣味としてデジタルコンテンツをつくっています。長時間かけてがっつり作り込むというスタイルではなく、なるべくコンパクトなものをさささっと仕上げるのが好きです」

君塚史高さんは「普段は用途のある便利なものもつくってます!本当です」と話してくれました(笑)。

(まいどなニュース/Lmaga.jpニュース特約・椎名 碧)