日本KFCホールディングスは20日、米投資ファンドのカーライル・グループによるTOB(株式公開買い付け)を受け入れ、株式を非公開化すると発表した。カーライル・グループは、日本KFCホールディングスの筆頭株主である三菱商事の保有分を除く64.88%の株式取得を目指す。買付代金は最大で約945億円。TOB成立後、株式併合、自己株式取得などの手続きを経て、カーライル・グループの完全子会社となる。日本KFCはTOBに賛同を表明している。

三菱商事は2022年に策定した中期経営戦略で経営資源の入れ替えを推進し、日本KFCの株式売却について社内で検討を開始。2024年1月、日本KFCに売却の意向を伝え、同年2月に入札形式での売却プロセスがスタートした。そのうちの1社となるカーライル・グループは日本KFCのブランド力を評価するとともに、出店戦略の見直しやメニューの多様化、デジタルマーケティングの強化などの実行により、事業成長の余地があると判断。中長期的な目線で抜本的な経営改革を推進する必要があるとの考えから、株式非公開化を前提にしたTOBの実施に至った。

買付主体はカーライル・グループが設立したクリスピー(東京都千代田区)。買付価格は1株につき6500円で、TOB公表前営業日の終値5330円に21.95%のプレミアムを加えた。買付予定数は1454万7681株。下限は所有割合の31.54%にあたる707万3300株。応募が下限に満たない場合はすべての買い付けを行わない。買付期間は5月21日〜7月9日までの30営業日。決済の開始日は7月17日。公開買付代理人は大和証券。