また現職警官の逮捕か 買春、強制性交、盗撮…5人が性犯罪 県民に広がる怒りと不信「最低限の理性すら保てないとは」 鹿児島県警不祥事
「ショックだし、残念」と鹿児島市の20代女性は驚きを隠さない。「警察官は真面目で、社会の模範となる存在だと思っていた。最低限の理性すら保つことができないとは」と声を落とす。かつて職場で性被害に遭った経験があるという県内の30代女性会社員は「容疑者が警察官とは本当に許せない。今後も逮捕者が出てくるのでは」と怒りをあらわにする。
近年、刑法は厳罰化したり規定を見直したりするなどして、性犯罪の抑止を狙っている。未然に防ぐとともに、加害者側へ向けられる目は一層厳しさを増しているにも関わらず、県警では20年2月に女子中学生へのみだらな行為、21年7月には同僚女性宅への侵入、23年10月には13歳未満の少女への強制性交、24年4月には不同意わいせつの疑いと、逮捕事案が続発している。幼児の娘を持つ同市の40代主婦は「また逮捕かという感じ。もう警察は信じられない」と語気を強めた。
性犯罪の撲滅を訴え、性被害者が思いを語る場を設けている県内の50代女性は「性被害を告発するのは本人にとっては非常につらいこと。県警が信用できないとなれば、誰が被害者を守ってくれるのか」と憤る。
その上で、23年10月に強制性交の疑いで警察官が逮捕された際、記者会見を開かなかった県警の対応を疑問視する。「逮捕された警察官個人の問題と矮小(わいしょう)化したからこそ逮捕が続いている。県警全体の問題として受け止め、具体的な対策をとってほしい」と訴えた。