今治の音楽教室「コハクミュージック」(今治市蔵敷町)が移転し、4月17日、新スタジオでレッスンを始めた。(今治経済新聞)

 今治の音楽教室「コハクミュージック」こだわりの詰まったスタジオの写真

 主宰するのは今治市出身の作曲家、寺田和輝さん。今年30歳の寺田さんは今治工業高校卒業後、JR四国に就職し5年ほど勤務。その際、勤務地だった高松でクラフトビールと出合い、その魅力に取りつかれたという。「クラフトビールの店を地元・今治でやってみたい」と退職を決意しUターン。準備を重ね、2020年7月、キッシュとクラフトビールを提供するダイニングバー「コハク」を今治市内にオープンした。

 音楽活動については、「中高時代にアコースティックギターや作曲活動に興味を持ち、見よう見まねで始めたのがきっかけ」と話す。就職してからは、高松で教室を開く作曲家の元で、作曲のセオリーや演奏技術を学んだ。

 コハク開業後はコロナ禍で「ゆっくり営業できた」こともあり、営業と並行して段階的に音楽教室を同店2階でスタート。「おうち時間でできる趣味」としてギターや音楽への関心が高まっていたことが追い風となり、生徒も徐々に増えていった。コロナ禍が落ち着いてバーの営業が忙しくなり始めたタイミングで、「音楽事業に絞る」ことを決断。コハクは2023年3月で閉店し、別の飲食店が入居した後も2階のスペースで教室は継続してきた。

 その後、音楽教室「コハクミュージック」として、音響環境を整えた住居兼音楽スタジオを新築。今回、新スタジオでレッスンをスタートした。防音や吸音、音響を考慮したという音楽制作スタジオとレッスンスタジオの2部屋を設け、「趣味」だというインテリアにもこだわり、「集中できる空間」に仕上げた。

 現在は、作曲家としてBGMなどの楽曲制作を手がけるほか、ギター教室と作曲のレッスンを行う。生徒は小学生から80代まで40人ほどが在籍しているという。ボーカロイドやアニメをきっかけに興味を持つ若者やシンガー・ソングライター志望など、動機もさまざま。「練習を重ねてうまくなるには、自主性が大切。講師はガイド役で、あくまでも主人公は生徒本人。音楽に向き合う意欲が高まるような声がけやアドバイスを意識している」と寺田さん。「生徒の成長を日々感じている。この教室からプロが生まれてくれたら」と期待を込める。

 入会金は1万円で、1レッスン(1時間)4,000円(月2回以上)。体験レッスン(1時間1,000円)も行う。