伊豆市・土肥地区に自生している「白ビワ」が現在、収穫時期を迎えている。(沼津経済新聞)

 白ビワは同地域の名産品で、通常のオレンジ色のビワは糖度が最大13のところ、白ビワは最大の糖度が16と甘さがあり、「幻のビワ」として呼ばれる。

 「幻のビワ」と呼ばれる理由について、土肥地区で白ビワの育成・販売を行うミモザ(伊豆市牧之郷)の新田はるみさんは「白ビワはこの地区がメインの産地で、他地区にはない珍しいもの。糖度も高く華やかな香りが特徴だが、傷みやすく都心などにも出荷できないデリケートなもの。流通量も多くなく、地元以外では存在を知るのが困難だからなのでは」と話す。

 現在、土肥地域では収穫作業が盛んで、週末から5月末ごろまでの旬を目指して販売の準備を進めている。同地で「グリーンヒル土肥」(同)を運営する礒健人さんは「本格的な販売は来週以降を目指している。生で販売するほか、通常のビワをソフトクリームに混ぜて販売する予定。初夏の味を楽しんでほしい」と話す。

 同地では白ビワの旬に合わせ、6月1日に収穫体験を行う。収穫体験は観光体験をしながらボランティアを行う「ボランツーリズム」方式で行い、収穫体験に協力した人には昼食時の弁当などを支給する。

 ツアーを企画した新田さんは「地域に労働力が不足している問題に体験を通じて一助になれば。土肥は出湯と白ビワの街と言われていた時代があり、この名産を復活させたい。まだ食べたことはないが興味のある人など、ぜひ体験してほしい」と参加を呼びかける。

 白ビワの旬は6月初旬まで。予約はミモザ(TEL 0558-99-9831)まで。