能登半島地震で被災した伝統的工芸品の産地や職人を応援するイベント「職手継(してつ)祭 能登半島地震復興応援プロジェクト」が4月26日、27日、ささしまライブ地区の商業施設「グローバルゲート」(名古屋市中村区平池町4)1階アトリウムで開催される。(名駅経済新聞)

 前回の会場の様子(写真提供=中部経済産業局)

 「職手継祭」は愛知・岐阜・三重・石川・富山の伝統的工芸品を紹介するイベント。職人の後継者不足や需要の減少という課題に取り組み、伝統を未来に継承していくことを目指して2023年11月に同会場で中部経済産業局が初めて開催した。

 今回は1月1日に発生した能登半島地震を受け、急きょプロジェクトを立ち上げた。被災地を応援する思いを持った15の事業者・団体が「職手継祭 能登半島地震復興応援プロジェクト委員会」として主催する。中部経済産業局が協力するほか、特別協力として石川県や民間企業が官民一体となり、早期の実現にこぎ着けた。

 出展者ブースでは中部5県でものづくりに携わる12の事業者が出展し、伝統的工芸品のほかに食器、木工製品、ファッションアイテムなどのライフスタイルグッズを販売する。各ブースには応援宣言を掲載し、被災地へのメッセージを発信。売り上げの一部をチャリティーとするものもある。ほかに、伊賀組みひも、九谷焼の絵付け、輪島塗のワークショップも用意する。

 26日には2部制のトークセッションを開催。1部では石川県輪島市の輪島塗蒔絵(まきえ)師の北濱幸作さんが「輪島塗再生に向けて」というテーマで輪島塗の現状と復興への思いを伝える。2部では共に地場産業の5代目の跡継ぎである愛知県あま市の「田村七宝工芸」の田村有紀さんと、岐阜県羽島市の毛織物メーカー「三星グループ」代表の岩田真吾さんが「跡継ぎの未来志向」をテーマに対談する。

 初回より職手継祭を担当する中部経済産業局の磯貝智子さんは「初回の職手継祭で地域を超えて連携しようという機運が高まった直後に震災があった。何かできないかという思いを持った人たちがすぐに集まり、多くの協力を頂いて感謝している。被災地から離れた名古屋でも多くの人の関心を集め、多様な応援の形を届けることができれば」と思いを寄せる。

 同局の坂野佑真さんは「大変な中で被災地の輪島から伝統工芸士の北濱さんが参加し、輪島塗の現状についてお話しいただく貴重な機会。ワークショップでは本物の漆と金箔(きんぱく)を使って輪島塗が体験できる。足を運んでほしい」と話す。

 開催時間は11時〜19時。