盛岡市の姉妹都市であるカナダ・ビクトリア市から中高生訪問団が5月14日に来盛し、内館茂市長を表敬訪問した。(盛岡経済新聞)

 盛岡出身の新渡戸稲造がビクトリア市で亡くなったことをきっかけに、両市は1985(昭和60)年に姉妹都市提携を結んでいる。盛岡国際交流協会では1993(平成5)年度にビクトリア市からの中高生受け入れ事業を始め、2006(平成18)年度まで6回実施。その後、休止していたが盛岡市側からの働きかけによって18年ぶりの再開が実現した。

 今回はビクトリア市内の4つの高校から、14歳〜16歳の生徒9人が来盛。今月21日まで滞在し、上田中学校と盛岡第一高校の2校に分かれてホームステイや学校生活体験を行うほか、市内の観光などを予定している。

 盛岡に到着した訪問団は、姉妹都市交流をきっかけに北米に生息する動物を展示する「ビクトリアエリア」がある盛岡市動物公園ZOOMOや、姉妹都市10周年を記念して名付けられた中津川沿いの小道「ビクトリアロード」、新渡戸稲造生誕の地などを視察。夕方に市役所を訪れ、内館市長を表敬訪問した。

 生徒を代表し、アルダス・バロワ―さんが「私たちを受け入れてくれてありがとうございます。盛岡は山に囲まれて自然を感じる。街がとても美しく、楽しんでいる」とあいさつし、「今回の滞在では学校生活や週末の観光が楽しみ。日本語や盛岡の文化を学びたい」と話した。内館市長は「ウエルカム」と歓迎。「私が盛岡のメイヤー(市長)です」と自己紹介した後、「盛岡に来てくれてありがとう。たくさんのことを経験して、皆さんの思い出になれば」と伝えた。

 訪問団を引率するレネー・ルドマンさんは内館市長に「ビクトリアに来たことがあるか」と質問。内館市長が「まだないが、ビクトリアはきれいな街で、海があり、ビールもおいしいと聞いている」と答えると、「イエス」と力強くうなずき、内館市長をはじめ、その場にいた関係者や報道陣に向け「皆さん、ビクトリアに来て。盛岡から贈られた『友情の鐘』がある場所に皆さんを案内する」と呼びかけた。