13歳から1人で宿泊可能なゲストハウス「シモーヌ」(西伊豆町仁科)がオープンして、5月3日で3カ月がたった。(伊豆下田経済新聞)

 「シモーヌ」外観

 オーナーの吉川真司さんはこれまで、都内に4店舗ある婦人服販売店を営んできたが、それらの店を妻や長女に任せ、同宿の開業を機に拠点を西伊豆に移した。

 開業のきっかけについて、吉川さんは「父親が山梨県忍野村に住宅を建てたのを機に、休日に忍野村に通う機会が増えた。若い頃にアジア・ヨーロッパ圏を旅していた経験も相まって、ゆくゆくはゲストハウスを始めたいという気持ちが芽生えた」と振り返る。

 忍野村に通う傍ら、伊豆半島にも観光やゲストハウス候補地の下見のために通うようになり、西伊豆町で元々建材店の倉庫だった同物件と出合った。2019年に物件を購入したが、倉庫に残っていた在庫品の処分などに苦戦しながら、約5年かけて大規模にリフォーム。2月3日、ゲストハウスのオープンに至った。

 3〜6人定員の個室3部屋と、10人定員のドミトリー2部屋を用意している同宿。各部屋の名称は「アジ」「イワシ」「カンパチ」など魚の名前にしている。キッチンやランドリーも完備し、長期滞在しやすい環境を整える。

 徒歩圏内には、夏季には海水浴場になる大浜海岸(西伊豆町仁科)や仁科漁港があり、シュノーケリング体験や海釣り、ビーチコーミングなどの海遊びのサポートも行う。

 「都会に住む子どもたちに、海・山・川といった自然の中で遊ぶことを経験してほしい。その中で、時に危険を伴う自然相手の遊びのスキルも身につけてほしい」と話す吉川さん。未成年の宿泊者に対する見守りや必要な保険の案内など、スタッフが付かず離れずの距離感を保ちながら、未成年だけでも安心して宿泊できるサポートを行う。「子どもたちには親元を離れ、自然体験だけでなく、ゲストハウスならではの空間で、世代や国籍を超えたコミュニケーションも楽しんでほしい」と狙いを明かす。

 宿泊料金は1泊3,850円〜。チェックインは23時まで、チェックアウトは11時まで(応相談)。