日産 MID4(NISSAN MID4:1985)

日産 MID4は、1985年のフランクフルト モーターショーでワールドプレミア(世界初公開)された。その名が示すとおり、パワートレーンは3L V6のDOHC 24バルブエンジンが横置きミッドシップ搭載されている。

そして、そこからプロペラシャフトが前に伸び、前輪も駆動するフルタイム4WDとされていたことが、ラリーを強く意識していたことを示している。おそらくは、WRC(世界ラリー選手権)においてグループBの後継と目されていた新カテゴリー、グループSでの活躍を念頭に開発されたプロトタイプといっていいだろう。パリ〜ダカールでポルシェ911・4WDが活躍し、のちに[959として登場]したように、ヘビーデューティさも狙っていたようだ。

ビスカスカップリング式LSDを備えたセンターデフを持ち、前後のトルク配分をリアよりに振り分けており、サスペンションはコンベンショナルな4輪ストラット式だが、4輪操舵システムであるHICASも組み込まれた。

ウエッジシェイプのボディスタイルやリトラクタブル式ヘッドランプを採用するなど、いかにもスーパーカー的なスタイルをしているボディはFRP製となっている。これはラリーで勝つための軽量化という意味も大きい。

フランクフルト モーターショーでは、1986年秋ごろ日本国内で販売されるといわれ、ファンからの大きな期待を集めた。そしてこのMID4は、2年後にMID4 IIへと進化することになる。

●全長×全幅×全高:4150×1770×1200mm
●ホイールベース:2435mm
●車両重量:1230kg
●エンジン型式:VG30DE型
●種類:V6 DOHC
●総排気量:2960cc
●最高出力:230ps/6000rpm
●最大トルク:28.5kgm/4000rpm
●トランスミッション:5速MT

[スーパーカークロニクル - Webモーターマガジン]