今春3月15日(金)より第2回新潟国際アニメーション映画祭が開催される。このたび、レトロスペクティブ部門で高畑勲特集が行われることが発表された。

昨年3月の第1回映画祭は、世界で初の長編アニメーション中心の映画祭として、また多岐にわたるプログラムとアジア最大のアニメーション映画祭として、世界で大きな反響を呼んだ本映画祭。長編コンペティション部門の審査委員長を押井守が務め、片渕須直監督、りんたろう監督、渡辺信一郎監督、メカニック・デザイナーで漫画家、監督でもある永野護ら名だたるアニメ関係者がイベントに登壇するなど国内はもちろんのこと、アニメーション首都、新潟としての認知も世界へ広がり、今年の開催へ期待が高まっている。

昨年、大友克洋監督の来場でも話題を呼んだレトロスペクティブ部門では、今年は『かぐや姫の物語』(13)、『火垂るの墓(1988)』(88)などの傑作で、2018年の逝去後も世界のアニメーション界に大きな影響を与え続ける高畑をピックアップ。スタジオジブリ時代だけでなく、東映動画(現東映アニメーション)での長編デビュー作『太陽の王子 ホルスの大冒険』(68)を始め、全長編アニメーション監督作品を上映。テレビアニメの監督デビュー作となる「狼少年ケン」や、長年高畑作品に関わってきたプロデューサーを始め、関係者トークも交えてそのキャリアを検証しながら辿っていく。

3月17日(日)にはアニメプロデューサーのなみきたかしとアニメーターの才田俊次が登壇する「高畑勲と『セロ弾きのゴーシュ』を巡って」、高橋望とスタジオポノックの西村義明、サラマンダーピクチャーズ櫻井大樹が登壇する「(高畑勲)の『かぐや姫の物語』とそれ以後」、3月19日(火)には片渕須直と日本大学文理学部心理学科特任教授の横田正夫が登壇する「高畑勲という作家のこれまで語られていなかった作家性」がそれぞれ行われる。

他作品も調整中だという高畑勲特集。日本が誇るアニメ監督が生んだ数々の傑作を、ぜひアニメーション首都の新潟で楽しんでみてはいかがだろうか。

文/サンクレイオ翼