2月29日(木)より世界独占配信される長澤まさみ主演、藤井道人監督によるNetflix映画『パレード』から場面写真が解禁された。

藤井が、大ヒットを記録した『余命10年』(22)、『最後まで行く』(23)に続いて手掛ける本作は、旅立ってしまった人の目線で、遺された人への想いが描かれる愛の物語。主人公は瓦礫が打ち上げられた海辺で目を覚ました美奈子(長澤)。離ればなれになった1人息子、良を捜す彼女は、道中でアキラ(坂口健太郎)や元ヤクザの勝利(横浜流星)、元映画プロデューサーのマイケル(リリー・フランキー)とその仲間たちと出会い、自分が亡くなったことを知る。未練を残してこの世を去ったため、まだ“その先”に行けないのだと。彼らもまた、様々な理由からこの世界にとどまっていた。現実を受け止めきれない美奈子だったが、月に一度死者たちが集い、それぞれの会いたかった人を探す“パレード”に参加したことを機に、それぞれの心に触れていく。

このたび解禁となったのは、本作の世界観が贅沢に切り取られた10点の場面写真。一人息子を残して突然命を落としてしまった主人公、元報道フロアのリポーターの美奈子が行きついた「想いを残した者たちが集う場所」で出会った人々の、せつなげでどこかあたたかさも感じられる姿が収められている。

絶望すら感じさせる表情で佇む美奈子、なにかを懐かしむ元小説家のアキラ、屈強な肉体に鮮やかな入れ墨が施されている元ヤクザの勝利、屋上で物憂げな表情を見せる元女子高校生のナナ(森七菜)、静かに読書をする元銀行員の田中(田中哲司)、この世界でも住人たちの世話を焼く元スナックのママ、かおり(寺島しのぶ)、上機嫌な元映画プロデューサーのマイケルなど、この世界で変わらず日常を過ごす彼らの様子とともに、彼らがなぜこの地に留まるのか、その理由が気になるカットとなっている。

そして忘れ去られた遊園地やノスタルジックな映画館といった、幻想的でどこかせつなさを感じさせるロケーションの数々も、本作の儚げな作品世界を彩っている。

藤井が長澤をはじめとした最旬キャストとともに避けられぬ喪失と祝祭を描きだした本作。実力派俳優たちの熱演を幻想的な映像で切り取った本作とぜひ配信で堪能してほしい。

文/スズキヒロシ