「医龍-Team Medical Dragon-」など、多岐にわたるテーマを緻密な人間描写を通じて表現することに定評がある乃木坂太郎が2019年から連載し、累計発行部数が240万部のベストセラーコミックスとなっている「夏目アラタの結婚」。本作が、柳楽優弥と黒島結菜の共演、堤幸彦監督で9月6日(金)より劇場公開されることが決定し、あわせてティザービジュアルと特報が到着した。

連続殺人犯の死刑囚にプロポーズするという衝撃の展開から始まる本作は、主人公のアラタと死刑囚の真珠との頭脳戦や二転三転する展開が読者を惹きつけ、「次にくるマンガ大賞 2020」U-NEXT特別賞コミックス部門を受賞、世界最大級の日本アニメ・マンガのコミュニティサイト「MyAnimeList」でも紹介されるなど、国内外から高く評価されている。

日本中を震撼させた連続殺人事件の遺族から相談を受け死刑囚に会いに行く、元ヤンキーで児童相談所の職員である夏目アラタ役には、『誰も知らない』(04)で第57回カンヌ国際映画祭の最優秀男優賞を史上最年少で受賞、その後も『包帯クラブ』(07)、『ディストラクション・ベイビーズ』(16)、『浅草キッド』(21)、「ガンニバル」、『ゆとりですがなにか インターナショナル』(23)など、確かな演技力で数々の話題作で確固たる存在感を確立している日本を代表する柳楽。事件の真相を探るために真珠に結婚を申し込むも、彼女に翻弄され続けるアラタを熱演し、いままで自身が演じてきていないタイプの役柄と本人も語る難役に挑む。

そして、物語の鍵を握る“品川ピエロ”の異名をもつ連続殺人犯にして死刑囚の品川真珠役には、大河ドラマ「いだてん〜東京オリムピック噺〜」、『十二人の死にたい子どもたち』(19)で存在感を示し、「クロサギ」やNHK朝ドラ「ちむどんどん」のヒロイン役で一躍注目を集めた黒島。過去の、天真爛漫で爽やかなイメージからは想像もできないキャラクターで、新境地に挑みます。コミックス上でも印象的な真珠の大きな特徴が、笑う時に映る“ガタガタの歯並び”。今回の映像化に際して黒島はその特徴的な歯並びをスタッフとともに5ヵ月かけて再現し、原作のイメージに沿った衝撃的な姿で人々を恐怖に陥れるリアルな真珠を好演している。

本作の監督は「十二人の死にたい子どもたち」をはじめ「イニシエーション・ラブ」、「TRICK」シリーズや「SPEC」シリーズなど数々のスタイリッシュな映像美と圧倒的なキャラクター描写で熱狂的なファンを生み出してきた堤。児童相談所職員と連続殺人犯の獄中サスペンスというかつてないテーマをどのような映像で描くのかにも気になるところ。


解禁となった特報映像は、アラタが「俺と結婚しようぜ」と連続殺人犯、真珠にプロポーズする言葉から幕を開ける。死刑囚として収監されている22歳の真珠。元ヤンキーで児童相談所の職員である夏目アラタは、真珠のもとを訪れ、突如“獄中結婚”を申し出る。一方の真珠はガラス越しにアラタに迫りながら「もう絶対離れないから」と恐ろしい目つきでアラタを見つめたかと思いきや、ガタガタの歯を出しながらピエロさながらの不敵な笑みを見せる。アラタを翻弄する真珠のその表情からは底知れぬ恐怖ががにじみ出ている。

「これから、その経緯をお話します」と語りかけるのは、特報全編にわたってナレーションを担当した声優の緒方恵美。獄中結婚する衝撃の展開から、この先に、どんな展開が待っているのか。アラタと真珠の駆け引き、その告白から予想だにしない結末が訪れる。

そして併せて解禁となったティザービジュアルは、黒いタキシードを着たアラタとウェディングドレスに身を包んだ真珠の姿。普通の結婚式のような出で立ちだが「このあと俺は、死刑囚(カノジョ)と結婚する」というコピーとともに、血で書かれたハートマークが不吉に描かれています。まさに、そのプロポーズは死に変わる、二人の前代未聞の獄中結婚を象徴するビジュアルに仕上がっている。

衝撃の展開で注目を集める本作を、堤、柳楽、黒島はどのように見せていくのか?今後の続報にも注目だ!

■<コメント>

●柳楽優弥(夏目アラタ役)

「脚本を読ませていただき、夏目アラタというキャラクターはいままで自分が演じたことがない役柄だなと感じました。同時に、スリリングなストーリーを含めた作品そのものに魅力を感じ、是非にとオファーを受けさせていただきました。現場では堤幸彦監督を筆頭に『いい作品にしたい』という高揚感を常に保ちながら、毎日撮影に集中することができました。アラタが対峙することになる真珠は、狂気と底知れない怖さをあわせ持つ連続殺人事件の容疑者であり死刑囚です。黒島さんが魅力的に、そしてとてもかっこよく演じられていたので、一緒にお芝居をするのがとても楽しかったです。この作品は『もしかしたらありえるかもしれない…』という、ファンタジーとリアリティのギリギリのラインを攻めているところが個人的にはすごく面白いなと感じています。アラタと真珠がどんな結末を迎えるのか。是非ご期待ください」

●黒島結菜(品川真珠役)

「私が演じた真珠は、表情がコロコロ変わりなにを考えているかわからない、全く掴みどころのない役です。とても難しい役だったのですが、監督の堤さんやスタッフの皆さんが信頼できる方々だったで、のびのび演じることができました。毎日ヘトヘトになりましたが…笑 原作にある不気味さや怖さをしっかりと表現するために、特徴的な真珠の歯はマウスピースを作りました。何度も試作し、納得できるものができたと思います。ぜひ注目してみてください。柳楽さんとの共演はとても久しぶりでした。拘置所でのアクリル板越しのシーンや法廷でのシーンが多く、リアルな距離感のお芝居は少なかったですが、目がとても印象的なので、対面したときに吸い込まれてしまわないよう必死でした。柳楽さんとはエネルギーレベルでお芝居ができたのかもしれないと今になって思います。たのしかったです!一言では言い表せない映画になりました。ぜひ楽しんでいただけたら嬉しいです!」

●堤幸彦(監督)

「原作はミステリアスでスリリング、先が読めないストーリー性にグイグイと魅かれたのですが、それ以上にアラタと真珠の厭世的だけど強烈に愛を求めている姿に痺れました。映画化では原作に描かれている唯一無二なキャラクターをなんとか立体化したく俳優と頑張りました。柳楽氏はすっかり大人になっているのですが、少年のギラリとした視線を保ち続けていて安心しました。そして、アラタの巻き込まれながらも目覚めた心情、それへの葛藤や裏腹な切なさを演じ切るという難役をきっちりこなしてくれました。黒島さんは一言『ヤバい』です!見たことない彼女です。ぜひ見てください!」

●乃木坂太郎(原作)

「柳楽優弥さん、黒島結菜さんの2人が危険な化学反応を起こしそうな匂いを濃厚に漂わせていますね。原作者として真珠の歯並びの再現に本気の映像化を感じました!」

文/サンクレイオ翼