県立歴史館(千曲市)は、収蔵品展「至高の名品」を同館で開いている。「学芸員のイチオシ 近現代歴史資料編〜長野県民がみた幕末から現代」と銘打ち、同館学芸員が近現代における社会変化や多様性を象徴する収蔵資料を88点選び、七つのテーマに分類して展示している。同館は「急激な変化があった近現代に当時の人々がどのように向かい合って生活していたのかについて、さまざまな角度から見詰めてほしい」としている。6月16日まで。

 1853年の黒船来航に伴う国内の様子を記した清水家文書(県宝)や諏訪市出身の俳人岩波其残が描いた農耕図、明治天皇の北陸・東海巡幸を迎えた地域の人々の活動を記録した長野県行政文書(県宝)などを展示。満州(中国東北部)に移住した満蒙開拓団員の日記、日本測定器(現ソニー)の企業疎開関係資料、戦後の遺跡発掘の調査記録、所蔵する1500冊以上に上る雑誌の創刊号コレクションの一部なども公開している。

 岩波其残の農耕図は、同館に2022年に寄贈された初公開となる12幅の俳画で、種もみや代かき、田植え、稲刈りなど稲作の1年間を描き、俳句を記している。当時の農作業の様子をうかがい知ることができる。

 開館時間は午前9時〜午後5時(入館は同4時30分まで)。休館日は毎週月曜日(4月29日、5月6日を除く)と祝日の翌日。観覧料(企画展のみ)は一般300円、大学生150円、高校生以下無料。