諏訪市渋崎の原田泰治美術館は11日から、企画展「原田泰治が描く 美しい日本の童謡・唱歌展」を同美術館で始めた。100曲の童謡、唱歌1曲1曲のイメージに合った諏訪市出身の画家原田泰治さんの作品100点を、歌詞を添えて展示した。9月29日まで。

 原田さんは、米菓メーカー大手の亀田製菓(新潟市)が設立40周年記念で行った文化事業「21世紀に残したい童謡・唱歌100選」に協力。事業は1997年、全国から童謡、唱歌を募集し、21万通余り寄せられた中から100曲を選び、原田さんの絵と組み合わせて99年に画集「日本の歌百選」を出版した。

 展示しているのは画集に掲載された全作品で、アクリルの原画を中心に飾った。曲は「どこかで春が」「夕焼小焼」「われは海の子」「大きな古時計」など。原田さんの絵は、おばあさんが土を耕す場面や小さな集落の夕暮れ、海水浴を楽しむ子どもたち、古時計が掛かる駄菓子屋などがほのぼのとしたタッチで描かれている。

 多くは事業以前の作で、それぞれの曲に合わせて原田さん自身が選んだ絵。このほか「青い眼の人形」「おもちゃのチャチャチャ」などをイメージした20点は、独自技法「切り抜き重ね絵」で制作し、薄いシートをカッターで切り抜いて、剥がした部分に絵の具を塗り重ねて表現した。

 初日はオープニングセレモニーがあり、茅野市を拠点にしたグループ「茅野童謡・唱歌を歌う会」が歌声を響かせ、展示作品にもなっている「花」「しゃぼん玉」など5曲をメンバー約30人が披露。会期中、諏訪地方の合唱団やサークルに童謡、唱歌を会場で歌ってもらう企画も用意し、出演団体を募っている。

 開館時間は午前9時〜午後5時。祝日を除く月曜休館。問い合わせは同美術館(電話0266・54・1881)へ。