アフガニスタンとパキスタンで病や貧困に苦しむ人々を支え、用水路を建設して多くの命を救った医師中村哲さん。2019年に凶弾で命を奪われるまで、中村さんの35年にわたる現地活動の軌跡と”生きざま”を追ったドキュメンタリー映画「劇場版 荒野に希望の灯をともす」(上映時間90分)が20日、駒ケ根市文化会館大ホールで上映される。主催の伊南子ども劇場では「子ども劇場が自信を持っておすすめする一作。ぜひお子さんと一緒に鑑賞してほしい」と呼び掛けている。長野日報社など後援。

 映画は戦火のアフガニスタンで21年間継続的に記録した映像素材から、これまでテレビなどで放送された内容に未公開映像と現地の最新映像を加え、劇場版として再編集したもの。中村さんが武装勢力の凶弾に倒れた後のアフガニスタンの状況も描いている。撮影・監督は1998年から現地で中村さんの活動を記録してきた谷津賢二さん。

 県内では松本、塩尻、茅野、上田など各地で上映会が行われ、複数回で満員になるなど好評を博した。今回は伊那谷初上映となる。

 同劇場事務局の山越けい子さんは「砂漠に用水路を通すことで、荒野が緑の大地に生まれ変わる様子が感動的。世界で戦火が広がる時代に大人にも子どもにも”希望の灯”をともしてくれる」と話す。その上で「この機会に親子で見て家庭で話題にしてほしい」と呼び掛けている。

 上映時間は午後2時と同6時30分の2回。前売り券は昼夜共通で大人1200円(当日300円増)、小中高生800円(当日同料金)。プレイガイドで好評発売中。昼の部のみ託児あり(12日までに要予約)。予約・問合せは伊南子ども劇場(電話0265・83・4130)、または市文化会館(電話0265・83・1130)へ。