ボート免許教習などを手掛けるウインドウェーブ(諏訪市湖岸通り1)は、諏訪湖周回用に電動キックボードのレンタルサービスを開始した。全線開通した諏訪湖サイクリングロード(約16キロ)を観光資源として有効活用しようと、初めて導入。5月の大型連休を見据えて30台配備する方針といい、同社の森山広社長(65)は「諏訪湖を眺めながら心地よい風を感じてもらえたら」と呼び掛けている。

 諏訪湖サイクリングロードを地元企業の立場から観光振興につなげようと模索する中、森山社長の子どもが東京都内でシェアリングサービスを活用している電動キックボードに注目。全国では都市部をはじめ、島や湖の周遊に活用される事例があると知り、高低差のないサイクリングロードとも親和性が高い移動手段として導入を決めた。

 貸し出すのは昨年7月の改正道路交通法施行で新たに位置付けられた特定小型原動機付自転車。定格出力0.60キロワット以下、最高時速20キロメートル以下などの要件を満たし、運転者が16歳以上であれば無免許で運転できる。自転車と同様にヘルメットの着用は努力義務。利用者には無料でヘルメットも貸し出す。

 同社では交通ルールの説明やテストを貸し出しの要件とし、利用者は練習走行を行った上でサイクリングロードに乗り出す。初心者でも簡単に乗りこなすことができ、滑らかな走行を楽しめるという。

 サイクリングロードには一部電動キックボードでの走行が許可されていない区間もあるため、同社は必要な情報をまとめた地図を作製して利用者に配布していく考え。当面は同社を発着点に貸し出しを行い、大型連休ごろには岡谷市湊の複合施設「LAKEHOOD OKAYA」(レイクフッド オカヤ)にも乗降場所を設ける予定だ。

 「全線開通しても細かいルールが決まっていない。障がい者が車いすで乗り入れできるようなユニバーサルツーリズムにつながっていけば」と森山社長。観光資源としてサイクリングロードを生かし「湖周の良さを味わってもらいたい」と話している。

 レンタル料は1時間2000円、3時間4000円、5時間6000円(いずれも税込み)。専用ダイヤル(080・9089・9715)で予約を受け付けている。