新年度に合わせ、運送業界などでは時間外労働の上限規制が始まります。いわゆる「2024年問題」です。働き方改革で、多くの業種では、時間外労働の上限が原則「年間360時間以内」とされていますが、運送業や建設業、医師などは、これまで猶予されてきました。4月1日から適用され、トラックやバス、タクシーの運転手を含む運送業は、原則、月45時間・年360時間以内などと上限が設けられます。労働環境が改善される一方、物流や公共交通への影響が懸念されています。バス業界ではおりからの運転手不足に加え、2024年問題で、より運転手の確保が難しくなり、各地で減便が相次いでいます。バス会社では運転手確保に向けた取り組みを進めています。

資料 

長野県松本市で行われたアルピコグループの入社式。路線バスや高速バスを運行するアルピコ交通は運転手候補生として20歳の2人を採用しました。ともに、大型2種の免許は持っておらず、入社後に取得を目指します。

運転手候補生として入社・池田智さん:
「出身が長野県中野市で地元に戻りたいという思いが強く、専門学校の先生に相談したら、鉄道以外にもバスの運転手として活躍するのはどうかなと提案してくれて」

運転手候補生として入社・星野涼さん:
「元々、大型の車に乗りたいと思っていたので、アルピコ交通に入社した」

アルピコ交通ではこの5年で運転手が15パーセント減ったということです。

今は経験者の採用を進めつつ、候補生を育てることにも力を入れています。

2人は会社の負担で免許を取得し、早ければ1年後に独り立ちする予定です。

運転手候補生として入社・池田智さん:
「年々、バスの運転手が減っているのは実感していますし、アルピコ交通に入社して自分が何かできるのではないか、日々考えながら勤務したい」

運転手候補生として入社・星野涼さん:
「(残業規制が)会社的にはちょっとあれですけど、個々の運転手にはいいなと思います。お客さまからありがとうとか一言もらえるようなドライバー、接客スキルを身につけたい」

また、アルピコホールディングスでは、コロナ禍明けから伸びているインバウンドへの対応で初めて海外出身者も新卒採用しました。

メリー・クリスティナさんはインドネシアの大学で日本語を学んでいて、グループ全体のインバウンド戦略や海外企業との連携などを担当します。

アルピコホールディングスに入社 メリー・クリスティナさん:
「長野県や松本市の魅力をプロモーションしたい。『こんな良いところがあるよ』と『ぜひ来てください』と」