東京競馬場芝1600m戦を舞台に行われる「春の女王決定戦」ヴィクトリアマイル。広い東京競馬場のワンターンコースを使って行われる定量戦だが、過去10年間で1番人気馬は[2-2-1-5]で3番人気以内馬も[2-5-2-21]とやや波乱含みだ。上がり3ハロンの最速馬は[3-3-0-8]で上位3位以内馬は[7-4-3-21]。決め手は必要だが、瞬発力だけではない総合力が求められる。

 ◎マスクトディーヴァは阪神牝馬S優勝馬。強烈な追い込みを武器に3歳秋にはローズSをレコード勝ちし、秋華賞では勝ったリバティアイランドを上回る末脚で2着に追い込んでいる。前々走の東京新聞杯は大きく出遅れて1番人気を裏切ってしまったが、あのレースは参考外。前走はゲートをしっかり決めて完璧な勝利を収めている。東京コースは前々走の東京新聞杯のみだが、中京競馬場芝2000mの新馬戦に勝利しており、左回りに対して苦手なイメージは沸かない。

 〇ウンブライルは23年NHKマイルC2着。その後、骨折のため9か月ほど間隔が空き、休み明けの東京新聞杯は22kg増の馬体重も手伝って動けなかったが、前走の阪神牝馬Sはメンバー最速の末脚で追い込んで2着と改めて能力の高さを示している。2歳時に新馬、オープン特別を連勝し、3歳春にブリンカーを装着後は[0-3-0-1]。全兄にマイルCS優勝馬ステルヴィオがいる血統で兄に続く戴冠を狙っている。

 ▲ナミュールはマイルCS優勝馬。その後は香港マイル3着、ドバイターフ2着と海外を転戦して良績を残している。桜花賞1番人気馬でオークス3着、秋華賞2着。世代を代表する1頭だった。昨年は東京新聞杯2着のちにこのレースへと挑み、2番人気に支持されたが向正面で致命的な不利を受けるなど不完全燃焼のレースとなり、雪辱を期した安田記念も最後の直線で前をカットされる不利を被った。まともなら。

 △スタニングローズは秋華賞優勝馬。昨年のヴィクトリアマイルは7番人気12着も出遅れて自分の競馬ができなかった。東京競馬場はオークス2着があり、また2歳時のサウジアラビアRCは勝ち馬から0.1秒差3着。前走の大阪杯は脚部不安で約11か月ほどの休養があったものの逃げて0.5秒差8着。着順イメージほどは負けておらず、自分の競馬が出来れば侮れない1頭だ。

 紅葉Sの勝ち方が良かった△フィールシンパシー、中山牝馬Sを勝った△コンクシェルの先行勢も侮れない。最後の1頭はクイーンC優勝馬△ハーパーか。