ユナイテッドアローズの2024年3月期のEC売上高は、前期比5.4%増の320億900万円だった。自社ECサイトの売上高が同13.0%増と好調に推移し、EC売上高に占める構成比も同2.4ポイント増の36.5%と伸びている。全体業績に占めるEC化率は、同0.1ポイント減の25.3%となった。

2023年8月に新しい会員プログラム「UAクラブ」の提供を開始した。2024年3月末時点のアクティブ会員数は137万人となり、会員売り上げは同7.2%増、会員による売上構成比は同1.8ポイント増の53.8%まで高まった。新会員制度の提供が、自社ECサイトの売上高の向上に寄与している。



松崎善則CEOは、「UAクラブの目的は、お客さま一人一人と深く長い関係を築き、ライフタイムバリュー(LTV)を高めることにある。それを示す指標として年2回以上お買い上げいただけるお客さまの比率を重視している。前年度はこの会員比率が同0.6ポイント増の49.2%となり、着実にその成果が出ている」と語る。

スタッフによるコーディネート投稿など販売活動のDX化も、自社ECサイトの売り上げ向上に貢献している。

「実店舗が持つ接客販売力をデジタル化し、販売員のファン作りを促進、当社との接触機会、接触時間を拡大させ、売り上げにつなげるのが狙い。販売員の個性を生かしたDX活動を行うことで所属事業や所属店舗の枠を超え、自社ECサイトの売り上げだけでなく、実店舗への誘導を狙う」(松崎CEO)と話す。



2026年3月期には、自社EC売上高を前期と比較して1.5倍以上の規模となる180億円超を目指す。