朝日新聞社は5月14日、スタイリングライフ・ホールディングスと衣料品や雑貨、食品などの通販を展開するライトアップショッピングクラブの全株式を取得する株式譲渡契約を締結した。株式譲渡実行日は5月20日の予定だ。シニア向けの通販で相互送客を図り、売り上げ拡大を目指す。

朝日新聞社は2014年から、50代以上の読者にむけて、第二の人生の過ごし方や、資産設計、美容・健康、趣味や学びの情報を伝える「Reライフ」面の掲載を開始した。同年には、シニア世代をはじめとした、生活者の悩みを解決する商品を取りそろえた通販事業「朝日新聞SHOP」も開始した。

朝日新聞社は通販事業をさらに強化するため、商品力や媒体制作経験に長けたライトアップショッピングを子会社化することを決めた。

朝日新聞社 中村史郎社長は、「本物志向のシニア層から支持を得ているライトアップショッピングクラブという、大変心強い仲間が朝日新聞グループに加わった。ライトアップショッピングクラブと朝日新聞社の顧客基盤には広く共通性があり、シナジー効果を高めることはもちろん、新しい事業創造につなげられるものと期待している。グループ一丸となり、通販事業のさらなる発展、そして『人生100年時代』を見据え、シニアのライフスタイルを応援する事業の強化に力を注いでいく」とコメントしている。

子会社化した後は、ライトアップショッピングクラブの魅力的な商品情報を、朝日新聞の読者をはじめとする、朝日新聞社の顧客やウェブメディア、メールなどで届けていく。一方、朝日新聞グループが持つ商品やサービスの情報を、ライトアップショッピングクラブの顧客にも届ける。両社が持つコミュニティを通じ、顧客の生活を豊かにするような新たな商品やサービスを連携して開発していく計画だ。

ライトアップショッピングクラブは1971年、ソニーグループのレコード通販会社として設立した。国内外から価値ある衣料品、雑貨、食品などを選定し、カタログやオンラインを通じて顧客に届けてきた。1983年には直営店舗を開設し、顧客とのつながりをさらに深めてきた。

主力のカタログは年間100媒体(10種類以上)を発行し、自社のカスタマーセンターで受注、アフターサービスを行っている。主要都市の中心部に店舗を構え、商品の試着やサイズ調整、修理など独自のサービスを展開している。


▲「ライトアップショッピングクラブ」の通販カタログ

ライトアップショッピングクラブの若菜さおり代表は、「当社は創業以来、お客さまの高い美意識や審美眼にお応えすべく、『長く愛されるクオリティの高いもの』『他とは違う独創的なもの』を追求し、付加価値の高い品々を、その背景にある作り手の物語とともに紹介してきた。今後も引き続き、お客さまの心を豊かにし、暮らしを”ライトアップ”する品々をお届けするとともに、朝日新聞グループが有する豊富なアセットと当社の強みの融合により、社員一同、心ときめかせながら新たな価値の創出に邁進していく」とコメントしている。