Channel Corporationは4月26日、All-in-one AIビジネスメッセンジャー「チャネルトーク」において、多くの問い合わせを自動で解決するCS特化のAI機能「ALF(アルフ)」をリリースした。自然言語を理解しながらFAQから自動で回答を生成し、ブランドごとに合った表現で自然な顧客対応をAIが実現する。

Channel Corporationの提供する「チャネルトーク」は、企業と顧客の間のコミュニケーションの問題をAIコンタクトセンターで解決するAll-in-one AIビジネスメッセンジャー。「顧客対応の未来はAIが鍵」をビジョンに、社内外とコミュニケーションができる「チャット機能」「電話機能」「Meet機能」、顧客管理をする「CRM」、顧客から得たインサイトを分析できる「統計画面」などの機能を提供し、人材不足を抱えているCS市場を中心にサポートしてきた。

このほど、自然言語を認識するCS特化型の生成型AIエージェント「ALF」をリリースした。「ALF」は、顧客がテキストを入力すると、まるでオペレーターと話しているような自然言語で最適なアクションや回答を自動で行い、質問や問題をスムーズに解決する。ブランドごとに表現の仕方を変更でき、ブランドイメージを損なうことがなく自然な問い合わせ対応が可能だ。



FAQを基盤に適切な回答を生成する仕組みで、顧客の質問の意図を理解し、利用事業者が事前に登録したFAQ機能から必要な情報を検索、問い合わせ内容に沿った回答を自動で提案する。FAQに登録していない内容の問い合わせの場合は、有人対応へ即時に切り替えができる。



チャットボットだけでは問い合わせ対応の形式に制限があり、柔軟性の低さに課題があった。さらに従来のAIチャットボットではハルシネーションの可能性があり、顧客体験とブランドイメージ毀損のリスクがあったとし、「ALF」ではハルシネーション防止のための機能も搭載。「ALF」が自身の回答が正しいのかを自主的にもう1度考え、ファクトチェックを行う。これにより、存在しないクーポンの発行を防ぎ、問い合わせに対して最適な対応を行うなど、顧客体験の向上に向けたサポートを実現する。韓国で実施したクローズドβテストでは、「ALF」によって問い合わせの最大72%を解決したという。



日本のCS市場は、人口減少による労働者不足、および人件費の高騰という問題を抱えている。この問題を解決するには、AIの活用により反復的な問い合わせは自動で解決し、重要な問い合わせは有人で対応するといったリソースの分配が必要となる。

「チャネルトーク」を導入している企業の約45%を占めるEC業界においても、配送処理や交換、キャンセルといった単純で反復的な内容の問い合わせが70%を占めている。AI機能を活用し、単純で反復的な問い合わせはAIが担当し、CS担当者はAIが解決できなかった問い合わせやより重要な問い合わせに集中することで、全体的なCS市場のクオリティを向上させることができると考えていたとし、その第1弾として自然言語を認識する生成型AIエージェト「ALF」の開発に至ったとしている。

「チャネルトーク」は、いままで自動で解決できなかったさらなるコミュニケーションの課題をAIの力で解決するため、独自の「WAM(Web Application Module)」を開発しており、今後も顧客体験とCS業務体験の向上を目指していく考えを示した。

本取り組みにあたり、チャネルトーク日本CEO 玉川葉氏は、「『「ALF』はさらなる顧客体験の向上、そしてCS市場が抱える人材不足問題解消といった、市場革新の一因になると考えています。また『ALF』は、『チャネルトーク』におけるAI機能の第1歩に過ぎません。さらなるAI機能を提供するため、今後は年内にAIチームの人員を2倍に増強し、『顧客対応の未来はAIが鍵』をビジョンに更なる顧客体験の向上、そしてCS市場の革新へ向けて取り組んでまいります」とコメントした。