アサヒ飲料は15日、2024年にブランド誕生120周年となる炭酸飲料「ウィルキンソン」について、飲用シーンを訴求するサンプリングやラインアップ拡充を実施すると発表した。「いつ飲むのか分からない」という声に対し、風呂上がりや運動後、食事に合わせるといった具体的なシーンを訴求。全国のサウナ・浴場で無料サンプリングを行うほか、食事に合う新商品を7月に投入する。24年度販売で前年度比4%増の3470万ケースの過去最高更新を目指す。

ウィルキンソンは無糖炭酸水を中心に展開し、トップシェアを持つ。ただ炭酸水市場は成熟期に入っているほか、プライベートブランド(PB)が拡大し競合が激化している。アサヒ飲料の香山宏マーケティング一部グループリーダーは「誕生120周年で強炭酸や磨き抜いた水などのブランド価値を改めて訴求する」と販促を強化する。

5、6月に全国各地の温浴施設で順次、約20万本の冷えた無糖炭酸水の無料サンプリングを実施し、「風呂上がりにタンサン」を訴求。都内では13カ所で約3万2000本を配布する。人気温浴施設とコラボレーションし、ブランドロゴののれんや同カラーの風呂で世界観の演出も行う。7月以降は運動後や炎天下での飲用シーン訴求も予定する。

さらに炭酸水を食事に合わせる提案も行う。爽やかな酸味とほのかな苦みを特徴とする新商品「ウィルキンソン タンサン シトラスビター」を7月9日に発売し、食事の味を邪魔せずに口をさっぱりさせる効果をPRする。

同社は4月に抑えた甘みを加えた新炭酸飲料「ウィルキンソン GO」を発売しており、無糖と有糖の中間にあるニーズの取り込みを図っている。6月11日には新商品「テイスティ マスカット」を加えラインアップを拡充する。香山グループリーダーは「炭酸水の飲用体験者は5割ほど。残り5割の人に体験してもらうため、具体的な飲用シーンを訴求することが大事になる」と強調した。