ぽかぽか陽気の中、お弁当を片手にどこかにお出かけしたくなる方も多いのではないでしょうか。
 今回は、以前ご紹介した“弁当チェーン大手3社”の「のり弁当食べ比べ」の第二弾としまして、“コンビニ大手3社”の「のり弁当」を食べ比べてみることにします。

 弁当チェーンよりも価格差が大きく、内容も違うところが意外と多く見られたので、ぜひ最後までお付き合いくださいませ。

◆ファミリーマート「明太海苔弁当」

 まずはファミリーマート「明太海苔弁当 470円(税込)」から。

 ファミマの弁当・惣菜は、肉系の揚げ物・炒め物おかずやデカ盛りなど、近年ではボリュームを重視したメニューが多く見られます。

 そんななか、のり弁当も2024年3月26日にリニューアルされたようです。その最新作を実食!

 まずは弁当箱を横断しそうなほど長い、ちくわの磯辺揚げをがぶり。青のりの風味はほんのりで、むしろ油っこさが少々気になります。白身魚フライも同様に少し油っこく、他社に比べると身の詰まりも少々物足りず。

  しかしじゃがいもコロッケは玉ねぎの甘みが立っており、全体の良いアクセントになっていました。ごぼうのきんぴらは彩り程度。

 特筆すべきポイントは米。しっかりと粒立っており、小さいフレーク状のおかかは鰹の旨みが効いています。明太子の量もほどよく、米だけでガンガン進んでしまいました。

 熱量は695キロカロリー、炭水化物は114.8グラムなど、量自体は今回最小、価格も最安ながら、ボリューム感はしっかりとありました。「おにぎりじゃさみしいけど、旨い米を口いっぱい頬張りたい!」という方におすすめです。

◆セブン‐イレブン「明太のり弁当」

 お次はセブン‐イレブンの「明太のり弁当 507円(税込)」。

 コンビニ店舗数では長年にわたり世界トップクラスを走り続けており、弁当・惣菜のラインナップも全体的にそつがなく、万能な印象があります。

 そんなセブンののり弁当は、量も値段も、今回の中ではちょうど中間です。では実食。

 ちくわの磯辺揚げは青のりの香り、塩気ともにほどよい印象。白身魚フライは身が詰まってふんわりしており、コロッケのじゃがいもは粗つぶしでホクホクとした食感も楽しめます。

 付け合わせにスパゲッティも入っており、ケチャップの味付けは濃すぎず薄すぎず。きんぴらごぼうは、量は少ないものの食感が立ち、甘辛で後味に唐辛子の辛みがちゃんときて、良いアクセントになっていました。

 米にかんしては、おかかは旨みを感じる甘めの味付けで、醤油っ辛さのない仕上がり。ただ、大きいのりが一枚べったりと敷かれており、箸で割きにくいのが少々難点でした。

 レンジでチンして食べるお弁当にもかかわらず、揚げ物が油っこさを感じさせないところに技術の高さを感じました。「どちらかというとあっさりめで、甘めの味付けが好み」という方にぴったりはまるかもしれません。

◆ローソン「これがのり弁当」

 そして最後はローソン「これがのり弁当 549円(税込)」。

 量は今回最大、ほかにはなかった玉子焼きに唐揚げまで付いた欲張りな内容で、唯一米とおかずがセパレートになっているのも特徴です。しかし値段も最高額で、ファミリーマートと比べると80円ほど高い設定。

 2022年3月にリリースされた「これが定番!」シリーズのうちの一商品で、従来20℃前後で常温陳列されていた弁当を、5℃前後のチルド製品にして鮮度を保っているそうです。その実力やいかに。

 ちくわの磯辺揚げは磯の香りがとてもしっかり。白身魚フライはふんわりとしてボリューム感があり、上のタルタルソースもたっぷりかかっていますが、その味付けはピクルスの香りと酸味がわりと立っており、好みが分かれそうです(ちなみに筆者は好きです)。

 コロッケはカレー風味になっていてスパイスの香り鮮やか、唐揚げはニンニクしょうがが効いていて、ハーブと香辛料の香りも感じられました。玉子焼きは少し甘め、きんぴらごぼうは太めのカット。

 米はかつおとともに、昆布の甘辛さと旨みがしっかりと効いていました。

 全体的に塩味はさほど強く感じないのに、それぞれのキャラが立っているのは、香りに鮮やかなインパクトがあるからでしょう。幕の内、とはいかないまでも、「とにかくバラエティ豊かな味わいが楽しめる」一品でした。

◆筆者の推しはローソン「これがのり弁当」!

 ローソンは定番というよりも、のり弁当に求めるものの少し上をいくバリュー感がありました。セブン‐イレブンはやはり正統派、ファミリーマートは米のおいしさに驚きました。

 味も価格も三者三様。いつも食べ慣れているのとは違うのり弁当にも、ぜひトライしてみてください!

文/川瀬章太



【川瀬章太】
フリーライター。神戸・大阪の編プロに8年勤務し、グルメ・街ネタ誌や飲食業界誌などを手がける。取材経験は1500件以上。某純文学新人賞の最終選考に3度残ったことがある。現在はWEBサイト「LIQLOG」などで、ビギナーにやさしいお酒の基礎知識や取材記事を執筆中