昨年6月に退団するまで、5年7カ月に及び宙組を率いた宝塚歌劇団の前宙組トップ真風涼帆が19日、大阪・梅田芸術劇場で、コンサート「unknown」の大阪公演初日を迎えた。

同劇場は、真風が在団中、何度も舞台に立った劇団の準本拠地。先に東京公演を終え、梅田芸術劇場公演が幕開けた。

「オーシャンズ11」「白鷺の城」「Capricoiosa」など、宝塚時代の舞台ナンバーでスタート。男役キーでも歌い上げた。

ファンを「エンジェル」と呼び、客席から拍手とペンライトを浴びると「盛り上げていただいて、気分はすっかり男役です」。客席に呼びかけた反応で、全員が宝塚時代から応援していると把握すると、さらにテンションは上がった。

出演者とのトークで「行きつけの店」の話題になると、真風は「私の行きつけ? ここ(同劇場)! 大阪と言えば梅芸ですよ。宝塚時代にも何度も立たせていただいて」と返した。

真風にとっては、本拠地の宝塚大劇場に次ぐ“古巣”のひとつで、ほぼマニッシュな装いのまま、全18曲を披露した。

アンコールにもこたえ、劇場の終演アナウンスがあってから数分後、客席からファンが帰りかけたところで、突然、ステージへ戻ってきた。

客席から「応援してるよ〜」の声が飛ぶと、大きなリアクションで「そんな! 泣いちゃうからやめてほしいよ」と、感極まった様子。すぐさま「泣かせにかかってるから、みんな呼ぼう」と照れたように、ステージへ共演者を呼び戻した。

「危なかった〜」と笑いながら、再び話し始めると、客席から今度は「最高でした〜」「元気もらったよ!」との声が上がり、真風は「もう、胸が張り裂けそうです」と感謝していた。