【週刊誌からみた「ニッポンの後退」】

 小室圭&眞子夫妻はしばらく行方不明だった。

 昨秋、それまで住んでいたニューヨークのマンションの賃貸契約が終了し、そこを引き揚げたまではわかっていたが、その後、杳(よう)として2人の行方がつかめなくなったと、いくつかの週刊誌が報じていたものだ。

 中でも女性誌は“メシのタネ”である2人の行方を捜すために人もカネもつぎ込み、そこにイギリスを代表するゴシップ好きの大衆紙「デーリー・ミラー」が参入し、地元夕刊紙もパパラッチを使って嗅ぎ回ったというから、ニューヨークの街は、さながら国際指名手配犯の捜索現場のような様相を呈していたのではないだろうか。

 当初、浮かび上がったのはニューヨーク郊外の高級住宅街、スカーズデール地区にある白亜の大豪邸だった。3ベッドルームと2バスルーム、子供部屋もある物件。これはもともと小室圭が通っていたフォーダム大学副学長が所有していたもので、現在の所有者は中国人夫妻。一昨年夏に2億円超で購入していたが、小室さん夫婦になら賃貸するといわれていた。しかし、パパラッチに知られたせいか、なぜか立ち消えになってしまった。その後、時折、2人して食事をする姿はとらえられてはいたが、どこに住んでいるのかは依然、謎のままだったのである。一時、“日本に帰ったのでは”という噂まで出たこともあった。

 そうこうして約4カ月後、4月4日発売の女性セブンが、新居を突き止めたと報じたのである。

 2人が新居として選んだのは、小室の勤務先から車で1時間のところだという。そのエリアは子連れのファミリーに人気がある、いわゆるニューヨークのベッドタウンだそうだ。

「通勤や通学に便利でありながら、マンハッタンと比較すると家賃が抑えられるので、広い家を希求するファミリー層に特に人気があります。また治安のよさも人気のひとつです」とは、在米ジャーナリストの同誌へのコメント。

 だいぶ前になるが、私の義理の弟夫妻がコネティカット州に住んでいたことがあって、10日ばかり遊びに行ったことがあった。どの家にも広い庭があり、リスやウサギが顔を出す閑静な住宅街だった。そこがニューヨークから車で1時間と少し。女性セブンによると、「家賃は約50万円。セキュリティー面もバッチリで、24時間対応のコンシェルジュが常駐しています。インテリアは北欧風に統一されており、キッチンやバスルームは広く、調度品も至れり尽くせりで、申し分ありません」とのこと。

 小室の年収はこの春に上がって6000万円ともいわれるから、余裕で払える金額だろう。

 その上、「出社は月に2回ほど。黒塗りのハイヤーの送迎つきだそうです」と同誌は伝える。

 年収6000万円、ハイヤー送迎……!? いやはや、出世したものではないか。

 小室圭母子は身の程知らずの皇族入りを狙ったがために叩かれ、女性週刊誌などのエジキになってきたわけだが、アメリカで司法試験に受かったうえ、リッチな生活を送っているとなると、週刊誌にとっては面白くもなんともない。この先、商売あがったりではないか。

 ただ、同誌は抜かりない。さっそく最新の4月25日号で「新居は1LDK.40平方メートルの狭さ」と手を緩めないし、2年目の新米弁護士がここまで優遇されているとすれば、彼を雇う側には、「彼の妻は将来の天皇の姉」という“肩書”を利用して、小室に日系企業との大口契約を結ばせようという魂胆があるのではと推測している。

 皇族の肩書利用──。どうやらこれが次の“メシのタネ”になりそうな雲行きだ。 (文中一部敬称略)

(元木昌彦/「週刊現代」「フライデー」元編集長)