1日で、能登半島地震から4カ月が経った。石川県が4月30日に発表したところでは、復旧・復興は思うように進んでいないようだ。

 被害の大きかった珠洲市、輪島市を中心に約3780戸が今も断水状態にあり、水道が復旧した地域でも、家屋内の配水管が損傷し通水できないケースが多い。全半壊した家屋を自治体が解体・撤去する「公費解体」は、7716棟の申請に対し、わずか1%程度の84棟しか完了していない。仮設住宅こそ3368戸が完成したが、いまだ4606人が避難生活を続けている。

 そんな被災地をなんとか応援したいという人も少なくないだろう。ゴールデンウイークの連休を使って、例えば観光で応援というのはどうなのか。果たして現地に旅行に行ってもいいものなのか。

 珠洲市役所の観光交流課はこう話す。

「少なくとも珠洲市では、観光客を受け入れる体制が整っていません。民宿や旅館などは木造の古い建物が多く、被害が大きかった。なんとか営業できている宿泊施設もありますが、ボランティアやインフラ復旧に従事している方々を受け入れています。復旧してからぜひ、多くの方に観光に来てほしいです」

 やはり、まだまだ観光どころではなく、被害の大きかった珠洲市や輪島市などは、まずボランティアからのようだ。

■復興が進んだ地域からは「ぜひ遊びに来て」

 一方で、石川県の観光戦略課に聞くと、こんな話も。

「たしかに、輪島の朝市や和倉温泉など、有名な観光地は復旧・復興に至っておりません。ですが、付近の宿泊施設が営業を再開できるほどではないにせよ、ある程度復旧が進んだ地域もあります」

 例えば「羽咋市周辺にはいろいろありますよ」とオススメしてくれたのは、日本で唯一、車で砂浜を走れる「千里浜なぎさドライブウェイ」。日本海を一望できる能登半島最高峰の宝達山。気多大社や妙成寺。これらは日帰りでなら観光を楽しめるという。

「県外の方から、旅行に行くと復旧作業の邪魔になってしまうのでは、と心配する声も聞きますが、こうした地域の方々からは、ぜひ遊びに来てほしいという声を聞いております。金沢などに宿を取り、日帰りで行っていただけたらと思います」(石川県の観光戦略課)

 先月6日には、被災した「のと鉄道」が全線で運転を再開した。楽しめる観光地もある。GW中の石川旅行はアリかもしれない。