プロ野球ヤクルトなどで活躍したタレント長嶋一茂(58)は19日、テレビ朝日系「羽鳥慎一モーニングショー」(月〜金曜午前8時)に出演し、4月に会社に入社した新入社員が、直後に退社するケースが相次いでいる現象について言及した。

番組では、退社を決めた新入社員から退職代行サービスに依頼が相次いでいる実態を紹介。昨年の4月は20件だったが、今年はこれまでにすでに139件の依頼が寄せられていることを伝えたほか、4月1日に退職の意思を伝えたケースや、配属先に納得できずに2カ月で退社を決めたケースなどがあると伝えた。

一茂は「僕らは昭和の人間。これに対していろいろ言っていくと時代錯誤が出てくるのは当たり前」とした上で「基本的に、僕も好きなことをやってきたタイプ。芸能界は残念ながら好きなことではないが、なぜかいる状況が28年続いている。野球が好きで始めたし、それをなりわいとしたかったから、プロ野球選手になること以外の作業はあまりやりたくなかった」と振り返った。その上で「ボール拾いや先輩のスパイクを磨くとか、プロ野球選手になることと全然関係ないことじゃないの?と思っていたけど、やらされて、やってきて、全部むだではなかったと思う」と述べた。

入社直後に辞める新入社員がいることについては「自分が本当にやりたいことを問い詰めると、これがやりたかったどうか、後から考えると違ったりする。入ってみると、将来的に自分のスキルや価値観を挙げることになったかもしれない。そういうこともあるということは言っておきたい。最初からこれはいやなんだと決めて…行動を移すことはいいと思うが、災い転じて:ということ、も人生の中にはあることもお伝えしたい」と語った。

自身がプロ野球選手を引退後、芸能界に入った理由を問われると「いまだにこの番組も合っていないと思うし、芸能界も全然、合っていると思っていい」と苦笑い。「野球をやりたかったから、野球からの第2の人生を考えたことがなかったが、クビになって、マンションの家賃が払えなくなった。その時に(明石家)さんまさんにオファーを受けて出て行ったら、ギャラがいいんだよね」と、振り返り「これは食いぶちになるという、すげえ単純な思いで(タレントに)なった。お金になる、ならないの判断で(芸能界に)入ってきた」と、きっかけは切実な問題だったことを明かし「今も、合っているとは思わない」と繰り返した。

元テレビ朝日社員の玉川徹氏に「いや、合っている。それだけ需要があるし面白い」と話しかけられた一茂は「いや、合っていないもん。うれしいけど」と、戸惑いつつ笑顔をみせた。