<日本ハム5−0ロッテ>◇21日◇エスコンフィールド

日本ハムが球団29年ぶりの快挙で今季初の4連勝(1分けを挟む)だ。

開幕から自身3連敗中だった加藤貴之投手(31)が121球の熱投で20日の北山に続いてロッテ打線をシャットアウト。95年以来の2人連続完封勝利で今季初勝利を挙げた左腕は「ホッとしています」と笑みを浮かべた。

いつもひょうひょうとしている左腕だが、この日は気合が入ったポーカーフェースだった。4連敗はできないと「自分にプレッシャーをかけていました」。9回まで3者凡退は1度もなし。走者を背負い続けても「なんとか粘ることができました」。3試合連続で相手チームに与えていた先制点を阻止し、5点の援護をもらった5回以降もゼロを並べ続けた。

周囲の配慮に応えたかった。「ブルペンのみんなからも励まされましたんで…。(実際に言葉では)言われてないですけど、伝わってきました」。感じていた自身を気遣う空気感。「意識的に何か変えないと」と右足を上げる高さなどフォームも微修正した。「足を引っ張らないように」と覚悟も注入。「チームの流れが良かった」と北山のプロ初完投初完封も追い風に、自身はこれで4年連続の完封勝利をマーク。チームに今季初の同一カード3連勝をもたらして恩返しした。

22年の監督就任以来、最速の18試合目でチーム10勝到達&最多の貯金3となった新庄監督は「加藤君の表情が練習の時から暗くて…。なんとか笑顔を早く取り戻してほしかった」と笑顔。チーム全体で誰かが誰かをカバーしながら白星を積み上げる。昨季までと違う、確かな上昇ムードが漂い始めた。【木下大輔】

▼日本ハムは前日の北山に続いて加藤貴が完封勝ち。2人連続完封勝ちは22年オリックス(6月22日田島、同24日山岡)以来だが、日本ハムでは95年7月4、5日西武戦のグロスと西崎以来、29年ぶり。95年はグロスが1安打完封、西崎はノーヒットノーランだった。現12球団で、日本ハムだけが00年以降に2人以上の連続完封勝ちを記録していなかった。