<巨人2−4阪神>◇5日◇東京ドーム

2年ぶり3番スタメンの阪神佐藤輝明内野手(25)が3点目をたたき出した。0−0の3回。1番近本の2ランで先制し、なお1死二塁の好機で打席が回った。「逆方向を意識していきました」。巨人高橋礼の6球目、外角のシンカーを振り抜き、左前適時打。「強引にいかず、しっかり見た結果、ああいうヒットが出たので良かったかなと思います」と手応えをつかんだ。

3番は22年5月6日中日戦(バンテリンドーム)以来で、岡田政権下では初めて。前日4日今季初めて欠場し、2試合ぶりにスタメン復帰した背番号8が必死に食らいついて意地を見せた。

改造打線がズバリ的中した。アンダースローの高橋礼に対して、チームはオープン戦から2試合で計10イニング無得点。岡田彰布監督(66)は「特殊なピッチャー言うたらおかしいけど、右はしんどいかなと思ったからな、だから上位に左集めて、そこで点取ろうかな思って」と説明。3番に佐藤輝を置き、1番近本、2番中野と3人続けて左打者を並べた。8番木浪から始まる3回の13イニング目に一挙3得点を奪い、見事に攻略した。

佐藤輝も必死だった。1点リードの7回。2死からセフティーバントを仕掛けた。サイド左腕大江に対し、初球からバントの構えを見せ、ファウルとなったが、球場からは一瞬どよめきが起きた。今季はここまで打率1割台と不振が続き、前日の試合前練習では室内で黙々とバットを振り込んだ。試合後、出塁しようという気持ちだったか問われると「そうですね」とひと言。チームに貢献したい一心だった。

東京ドームには大勢の子どもたちが来場した。こどもの日はこれで4年連続ヒットを記録。5日5日は14打数5安打4打点、打率3割5分7厘だ。試合後は良いところは「見せられたと思います」と笑顔。これからも懸命に前に進む姿を見せる。【村松万里子】