ボクシングWBA世界フライ級王者ユーリ阿久井政悟(28=倉敷守安)が初防衛成功から一夜明けた7日、東京都内の帝拳ジムで会見に臨んだ。

3年前に日本王者として対峙(たいじ)した挑戦者の同級3位・桑原拓(29=大橋)との再戦に判定勝ち。「今回は体の痛みも少なかったのでよく眠れました。2時間ぐらいですけど」。1月にアルテム・ダラキアン(ウクライナ)からベルトを奪った時のようなアグレッシブな戦いは封印。王者らしく挑戦者の動きを見極めた試合運びで、危なげなくベルトを守った。

1月にベルト奪取、5月に初防衛とあわただしい時間を過ごした。「(前回の試合から)スパンが短かったんでゆっくりしたいですね。家族とディズニーランドに行く予定はあります」。会見場には夢夫人(28)、長女千聖ちゃん(3)、次女琴乃ちゃん(1)も。家族和気あいあいの光景が大仕事を成し遂げた後を象徴していた。

次戦に関しては「とにかく目の前の試合に勝って、ビッグマッチに臨みたい」と言った。減量に問題はなく、フライ級のベルト統一が第1目標。WBC王者フリオ・セサール・マルティネス(メキシコ)以外、IBFとWBO王者は空位。ライトフライ級から階級を上げる可能性があるWBAスーパー、WBC王者の寺地拳四朗(BMB)や元WBC王者の矢吹正道(LUSH緑)らも候補に挙がってくれば、ファンの楽しみは広がる。

守安竜也会長(70)は「10月か11月ぐらいがええですね」と見通しを語った。岡山のジム所属で初の世界王者。地元での世界戦も将来的に見据えつつ、いろいろな筋書きを描ける勝利となった。【実藤健一】