プロボクシングWBA世界スーパーフライ級王者井岡一翔(35=志成)が、6日のルイス・ネリ(メキシコ)戦でキャリア初ダウンを喫した4団体統一スーパーバンタム級王者井上尚弥(31=大橋)の対応について言及した。20日、都内でABEMAボクシングユーチューブチャンネルで行われたライブ配信に親交の深いTKO木下とともに参加。井上−ネリ戦をチェックしていたという井岡は、井上が1回にダウンを喫した際、8カウントまで待って立ち上がった冷静な判断について口にした。

井岡は「(井上が)倒れたことは誰からみてもサプライズだけど、それは紙一重。井上選手がいつも通り倒すこともあれば、逆のことが起こってもおかしくない。ただ起こってからどう対処するかが大事。起こった後の彼の動き、きちんとレフェリーの8カウントを聞いて自分のタイミングで立ち上がった。そういったところはすごい、さすが。それがすごかった」と率直な印象を口にした。

自身もダウンの練習をしてきたと明かし「パニックにならないように、自分もでんぐり返しとか20〜30秒やってカウントを数えられると、膝を突いて8カウントになったら立つ。試合続行の合図で、そこからシャドーボクシングしていた。やはり(井上も)そういうイメージしていたのだと思う」と分析した。

また井上がダウンを喫したネリの左フックもらい方についても持論を口にし「ネリ選手の左フックを受けたままの方向に倒れた。あれは衝撃としては分散されている。あそこで耐えて崩れ落ちた方が効いてしまうと思う」と説明。自らも16年大みそかのスタンプ・キャットニワット(タイ)戦にダウンを喫した防衛戦などを経験しており「僕も(パンチを)もらって受けた方向に倒れたら意識は普通で足も効いていなかった」と振り返った。

さらに井上が1回途中でネリとの距離感をつかんでいたとし「初回にダウンになったけれど、そこで、自分はどうすればいいのか、冷静に対処すべきかができているから。それはすごいこと。戦っている中で距離感が勝っているからできていたと思う」と口にした。

井岡自身は7月7日、東京・両国国技館でIBF世界スーパーフライ級王者フェルナンド・マルチネス(32=アルゼンチン)との王座統一戦を控えている。週末には渡米し、約1カ月間の予定で名伯楽のイスマエル・サラス・トレーナーのもとスパーリングを中心とした実戦練習を続けていくという。井岡は「しっかり準備して(米国の)トレーニングキャンプに向かいたい」と意気込んでいた。

なお井岡は「家族用とは別に、自分用として買いました」と言う高級な愛車フェラーリ・ローマをTKO木下にお披露目。その模様は後日、ABEMAボクシングユーチューブチャンネルで公開される。